ニュースレター(HTML)

ニュースレター第21号(HTML版)2017年12月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第6回 大下最弘(おおした ともひろ)さん
「食育と共食で楽しい子育てを」

子育て料理研究家・洋食店のオーナー兼シェフ

毎月第2土曜日に「こづれ食堂hugcook」としてお店を無料開放。
コミュニケーションの場づくりや、オムレツ体験ワークなどを通じた親子料理の普及を行っている。
こづれ食堂hugcook:垂水町1-40-5-104 パインズハート
TEL 06-6387-3965

活動を始めたキッカケ
~子育ての楽しさに気づく~

子どもが6人いるのですが、上の3人はおむつを替えたり、お風呂に入れることすらなく妻に任せっぱなしでした。
しかし、子どもと一緒に料理をした時に、「できた!」と喜ぶ顔を見て、子育ての楽しさに気づくことができたのです。
この気づきを多くの人にも感じてもらいたいと思い、活動をはじめました。

親子料理を通して
~家族の時間を大切に~

活動に参加してくれているお父さんから「料理は妻の方が上手だけど、自分が作って失敗することで家族に笑顔が生まれるんです」と話してくれたことがありました。
彼は、子どもとの時間を増やすため、今年から会社を辞めて独立したそうです。
その話を聞いた時に、自分がやってきたことに対する自信を持つことができました。

これからについて
~仕事と地域貢献の両立~

本格的に活動をはじめる時、お店の定休日を変更しました。
稼ぎ時の週末を休むことに不安もありましたが、結果的には売上への影響はなく、活動の幅を広げることができました。
今後も色んなことにチャレンジしていきたいと思っています。
身近なところに目を向けて、地域に貢献していきたいです。

このページの最初へ

ここに注目!ラコルタの特集
外国人住民の社会参画
~多文化で支え合う地域をめざして~

近年グローバル化が進む中で、定住する外国人も増加の一途をたどっています。
生活者として必要な支援等を行いつつ、外国人を「支援の対象」とした関わりを越え、地域住民の一員として、ともに生活・活動していく多文化共生の地域づくりを推進する必要性が増しています。

吹田市では「吹田市多文化共生推進指針~共に暮らす地域社会を目指して~」が2017年10月に策定され、多様な価値観や異なる文化をお互いに理解し合い、誰もが住みやすく魅力ある多文化共生社会の実現をめざしています。

本号では、外国人住民が主体的に活動する事例をもとに、外国人住民とともにつくる多文化共生社会について考えます。

(吹田市多文化共生推進指針は、吹田市のホームページからご覧いただけます。)

多文化共生と吹田の未来

外国人とともに地域を拓こう

一般財団法人 ダイバーシティ研究所
代表理事 田村太郎

最近、「外国人(※)」をよく見かけるなと感じたことはないでしょうか。
((※)国籍だけでなく、文化や習慣など多様なちがいをもつ人々の総称としての「外国人」という呼び方には、ややしっくりこない部分がありますが、本稿では紙幅の都合もあり、「外国人」という表現を用いました。)

コンビニのレジや電車の中で、あるいはお子さんやお孫さんの同級生や保護者、万博記念公園で観光に来ている人を見かけた、という人もいるかも知れません。

日本で暮らす外国人の数は、リーマンショック以降、微減が続いていました。しかし、2013年末から再び増加に転じ、最近はベトナムやネパールの出身者も増え、多国籍化がいっそう進んでいます。

吹田市にも約5,000人の外国人が暮らしています。
また訪日外国人数も2015年に2,000万人を越え、これまで外国人とは縁がなかった地域でも観光客として見かけるようになりました。

〈吹田市の外国人人口推移のグラフ〉
2006年は4484人、2008年は4311人、2010年は4291人、
2012年は4416人、2014年は4459人、2016年は4960人
吹田市市民課人口統計より

日本は移民を認めていない国とされていますが、原則として10年以上、日本に継続して滞在していれば「永住者資格」を申請することができ、認められれば永住することも可能です。
例えば1990年代に急増したブラジルからの来日者は、リーマンショックで減少したものの 、現在は永住資格を取得して日本で暮らし続けている世帯も多いのです。

この10年以上というのは原則であって、日本人の配偶者の場合は5年、また弁護士や医師などの高度人材は、今年から最短で1年で永住者資格が得られるように要件が緩和されています。

永住するということは、子どもや親の呼び寄せ、本人の高齢化など、世代間の違いにも配慮が必要となります。

国籍も言語も異なり、永住者資格を持ち日本で30年暮らしている外国人から昨日来たばかりの観光客まで、外国人といっても求められる対応は多様なのが現在の外国人を巡る状況なのです。

こうした外国人の増加を背景に、総務省国際室では2006年3月に「多文化共生推進プラン」を策定し、自治体による体系的な多文化共生の取り組みを促しましたが、10年が経過したのをふまえ、2017年3月には「多文化共生事例集」を発表しました。
今後の地域の活動の参照となるよう各地の事例を収集したものです。

各地の事例からは、外国人が支援の対象としてだけでなく、地域の担い手として活躍している様子を伺うことができます。
海外からの人の往来の増加やそれに伴うにぎわいの回復を「貴重な機会」ととらえ、外国人をパートナーとして新しいチャレンジをしているのはどちらかというと地方に多いように思います。
吹田市でも少子高齢化やにぎわいの衰退は進んでおり、多文化共生をキーワードに地域の未来を切り開いていこうという気運が高まることを期待しています。

写真:田村 太郎さん
プロフィール:阪神・淡路大震災で被災した外国人への支援を機に「多文化共生センター」を設立。
自治体国際化協会参事などを経て、2007年から「ダイバーシティ研究所」代表に。
明治大学兼任講師、復興庁復興推進参与なども兼務。

外国人市民による居場所づくり
“チーム・モイ”

外国人市民の場合は、言語の壁だけでなく、文化の違いや偏見などによって、本音を言いにくい状況にあります。
そのために、日本語で自分自身の思いを伝えていくことが大切だと考えています。
チーム・モイ(※)が取り組む“語り合いカフェ”では、外国人市民を含め地域の人が集まり、安心して話せる場を提供しています。
日頃感じている悩みやストレスはもちろん、自分は決してひとりでなく仲間がいるということを共感しあうことで、生活の励みへと繋がっていくのです。
また、外国人市民の置かれている現状を、日本の人にも理解してもらうため、講演活動も行っています。

外国人市民が抱えている問題は、外国人市民だけの問題ではなく、社会全体の問題でもあります。
チーム・モイでは、日本で暮らす外国人のことを「外国人市民」と表現しています。
外国人も市民の一員として、より良いまちづくりに貢献していきたいと考えています。

(※)チーム・モイは、箕面市立多文化交流センターを拠点とし、在住外国人のメンバーを中心に活動しています。

写真:語り合いカフェの様子

問い合わせ先:公益財団法人 箕面市国際交流協会
TEL: 072-727-6912

料理教室から拡がる多文化共生
“ピロギ・ジャパン”

ピロギ・ジャパンは、地域に住む外国人と日本人の距離を縮めることを目的とした、料理教室を開催しています。
料理教室は吹田市内の公民館を会場としており、料理や文化、交流を楽しみに多くの人が参加しています。

ピロギ・ジャパンの活動は、様々な国の人が運営に関わっています。
元々は、コムカフェ(※)でシェフをしていた外国人住民が始めた活動ですが、料理教室の参加者の中から活動に共感した日本人も、スタッフとしての役割を担うようになりました。

メンバーの津田さん・西川さんは「外国人のために何かやってあげようという気持ちではなく、同じ地域に住む市民として関わっています」と語ります。
料理教室の運営の中で、勘違いや上手く伝わらないことも時々あるそうですが、お互いを認め、折り合いをつけていきながら、多文化共生の視点で運営をされています。

(※)コムカフェは、箕面市立多文化交流センターにある、地域で暮らす外国人が、世界の家庭料理を日替わりで提供するカフェ。

写真:運営に携わるみなさん
(左)津田篤子さん
先生のレシピを、日本人にも分かりやすいように書き換えています。
(中)ヴィクトリア・ブヤコフさん
料理教室の企画を考えています。
色んな国の料理に興味津々。
(右)西川利子さん
渉外担当。
問い合わせ対応や、会場・他団体とのつなぎ役をしています。

写真:料理を通して外国の言葉や風習も学べます

問い合わせ先:世界の料理教室 ピロギ・ジャパン
E-mail:pirogijp@gmail.com

このページの最初へ

THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

第4期 エンカレッジすいた
~地域や社会とつながる最初の1歩~

開催日:9月8日(金)~11月24日(金)

カリキュラムの一部紹介
●社会貢献スタイルを知る
●対話力や自尊感情を学ぶ 
●コミュニケーション術について
●社会で“自分”を活かすワーク など

“ソーシャルな生き方”を考える連続講座「eNカレッジすいた(以下、eNカレ)」の第4期を開催しました。
今期は初めて平日夜間での開催となりましたが、定員を超える33名の申込があり、20代~60代までの幅広い世代が参加されました。

「定年退職を機に、社会貢献をしたい」「普段出会えない人とつながりたい」「家と会社の往復で新しい世界を見てみたい」など、受講動機は様々ですが、講座を通して地域や社会に対する関心の高さが伺えました。

eNカレは、ワークショップやボランティア体験など参加型のカリキュラムが中心となります。
特に、自尊感情をベースにした人間関係の築き方や、自分の要望や意見を上手に伝えるためのコミュニケーション術は、活動だけでなく仕事や私生活でも活かせる内容となっています。
具体的にやりたい活動がある人や、これから見つけていきたいという人もいましたが、eNカレでの学びを通じて、日常生活にソーシャルな視点を取り入れてもらえればと思います。
写真:自尊感情について語る講師の金さん
写真:谷水さんによるアサーショントレーニング

〈テーマカフェ〉
スマートシティ
~環境にやさしい暮らし方~

開催日:9月24日(日)
最近良く耳にする「スマートシティ」を切り口にして、環境にやさしい暮らし方を考えました。
最初に話題提供として、ラコルタ職員より、新聞やテレビで取り上げられる環境の話題や取組みを紹介した後、参加者同士で意見交換をしました。

参加者からは、集中豪雨などの気候変動や、電力や洗剤をできるだけ使わないエコな暮らし方へのヒント、ロハスなライフスタイルなど、多様な視点から意見が出ました。

市民目線でより身近に環境の問題を考える良い機会となりました。
写真:スマートシティって何?

編集ノート

ニュースレターのデザインを担当しています。
構成を考えたり文字の大きさや色を工夫し、読みやすい紙面作りを目指しています。
カラーになっていかがでしょうか?
ラコルタは5周年。
これからも皆さんに親しんでいただき、お叱りや励まし(笑)など、お声を寄せていただけたらうれしいです。(茨木)

このページの最初へ