ニュースレター(HTML)

ニュースレター第47号(HTML版)2024年6月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第32回 吉田 重登志さん
「クラウンの精神を広めたい!」

吉田さんの写真:「みんなのSUITA DAY2024」にて

なないろクラウン/ぷらん

幼少期から吹田市に在住。
広告企業勤務を経て、イベントや商業施設の再生を手掛ける企画会社を設立。
2013年から起業家の仲間と「吹田夢咲応援隊」を結成し、街を盛り上げる活動をプロデュース。
クラウンとしては、福祉施設や幼稚園等に出向いて活動している。

長年の思いを実現

活動を始めたきっかけは、クラウン(道化師)に扮した医師が、病気の子ども達を励ます映画に感銘を受けたからです。
人を楽しませることが好きだったので、いつか自分でもやりたいと思っていました。
仕事が落ち着きはじめた50歳を機に、西宮にあるクラウンの養成校に入ったのですが、技術だけでなく、精神面でもたくさんの刺激を受けました。

「出来ない」が当たり前

クラウンには「出来ないことが当たり前」という考え方があります。
それを体感するために、つまずいたり、物を落とす動作から教わりました。
普段なら失敗して怒られるような事でも、笑いや個性に変換していけるのです。
実は、仕事の上では出来ない人に対してイライラすることが多かったのですが、この教えを学ぶ中で、考え方を改めるようになりました。

クラウンの魅力

一緒に学んでいたメンバーには、コミュニケーションが苦手な方や、障がいのある方もいましたが、クラウンという表現活動を通して、それぞれが成長していったように思います。
クラウンは、周りを安心と笑顔で包む存在であることと、自分自身が成長できる活動であることを、吹田でもっと広めていきたいです。

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ここに注目!ラコルタの特集
高齢者がついつい行きたくなる居場所 ふれあい交流サロン

吹田市地域福祉計画では「みんなでつながり安心・いきいきと暮らせるまち吹田」を基本理念に、地域全体で支え合えるまちづくりを推進しています。

その中で高齢者の要介護リスクを高める「閉じこもり」への対策や気軽に世代間交流できる場として「ふれあい交流サロン」事業が、2005年に開始されました。
コロナ禍を通じて「居場所」の重要性が再認識される中、市の選考を受けた12団体が各地でサロンを運営し、地域福祉の重要な役割を果たしています。

本号では、高齢者を中心に誰でも日常的に利用できる「ふれあい交流サロン」が、高齢者や地域にどのような影響を与えているのか、その特徴や効果、可能性について探るため、3つのサロンを取材しました。

磁石のように引き寄せる

マグネット(山田東)

代表の濱田さんが開設したきっかけの1つは、コロナ禍で人と交流できなかった時に感じた寂しさでした。
また、スーパーの休憩スペースなどで一日中一人で過ごす高齢者の姿に触れ、自身の老後を考えた時、もっと交流しやすい居場所を自分でつくりたいという思いから、「ふれあい交流サロン」制度を活用し、生協の仲間たちと共に2023年に開設しました。

特にこだわったのは、「古民家」と初めて来た人への「接し方」です。
古民家には、家庭的な雰囲気があるので、誰もがほっと落ち着けるような空間を生み出し、どこか懐かしさも感じられます。
スタッフや常連さんは、初めて来た人にも笑顔で気さくに話しかけることを心がけており、古民家の雰囲気も相まって、すぐに打ち解けることができます。

栄養たっぷりのランチや百歳体操も好評ですが、常連さんと一緒に立ち上げた毎週火曜の健康麻雀は特に賑やかで「麻雀はよく分からないけれど、みんなとのおしゃべりがとにかく楽しい」という方が多くいらっしゃいました。
そして、場所が小学校近くの住宅街ということもあり、古民家から漏れる笑い声に引き寄せられて、乳幼児を連れた母親、小学生や若い男性など、さまざまな世代の利用者が少しずつ増えてきているそうです。

ないなら、みんなでつくる

まるっと。(南正雀)

代表の茂上さんは、デイサービス系の仕事をする中で、支援が必要な人への介護や予防に限定された介護保険サービスではなく、高齢者が日常的に集える場所が地域に必要だと感じていました。
しかし、自身が暮らす南正雀には喫茶店も少なく、気軽に集える場がありませんでした。そこで思いに共感してくれたママ友やシニア世代の人々と共に2019年にサロンを開設しました。

運営にあたって大切にしているのは、利用者との「距離感」と「スタッフ間の情報共有」です。
利用者の様子を見ながら、程良いタイミングで声をかけることで、心地良さを感じてもらえるよう努めています。
時には、普段見えにくい利用者の生活上の問題に気づくこともあり、その際はスタッフ間で問題を共有し、必要に応じて支援機関につないでいます。
日々接するからこそ、地域の見守り機能も担っています。

一人で利用されていた男性に話を聞くと、以前は家の中にいることが多かったが、ここでは一人でゆっくりしながらも、時折スタッフと気軽におしゃべりができ、通いやすい料金や長い営業時間もあって、つい来てしまうとのことでした。
近隣での顔見知りも増え、身だしなみに気を配るなど、日常生活にメリハリができたという声も多くありました。

心も身体も笑顔になる

一休庵(片山町)

医療者でもある代表の濱野さんは、地域の足腰の衰えが気になる方、元気のない方や他人とのかかわりが薄くなってしまった方たちと接するなかで、いつまでも地域で健康に過ごせるよう、日常的に交流できる場所づくりの重要性を感じ、任意団体を設立したのち、2021年にサロンを開設しました。

サロンは、お茶だけでなくゲームなどが楽しめるイベントスペースが併設されています。
学校の休み時間のように、それぞれ楽しみを見つけて自由に過ごせる空間づくりを心がけているそうです。
それだけでなく、様々なイベントの企画、実施などにおいてスタッフと利用者が協力し合うことで信頼関係を築き上げられ、より居心地の良い場所になったとのことです。
また、普段からお互い親しくなれるような工夫をすることで利用者同士の交流も促進され、イベントなどを通して絆がより深まっています。
中には利用者同士で連絡先を交換するくらいの仲となり、サロン以外での交流も増えているとのことです。

カフェのように一人でふらっと出入りできる「気軽さ」と、ゲームなどおしゃべり以外の楽しみを「やりたい時に自由にできる環境」があることから、おしゃべりが苦手な人でも通いやすく、ほぼ毎回来られている方もいるようです。

閉じこもりとは

閉じこもりとは「週1回も外出しない状態」と定義されており、要介護リスクが高まると言われています。
また『吹田健やか年輪プラン』でも、高齢者の外出頻度は課題とされており、2023年の調査では、「週1回以下の外出」は12.8%、「昨年より外出が減っている」は36.1%となっています。

「ふれあい交流サロン」の概要

●閉じこもりがちな高齢者の参加を促すサービスの実施
●原則10:00~16:00、週3日以上の開設
●誰でも利用可、看板等の掲出、飲食提供時は無料or低額

吹田市から吹田市内の非営利団体へ補助金が交付されて、サロンが運営されます。

取材を通して・・・

地域にはさまざまな公共施設やコミュニティがありますが「ふれあい交流サロンは、特別」という利用者の言葉が印象的でした。

それは、地域で日々過ごす中で感じた問題を解決しようと、市民自らが積極的に行動したことで得た大きな功績を象徴したものではないでしょうか。

同じ地域に暮らしているからこそ、利用者の小さな変化や声に耳を傾け、時には利用者の持つ力に頼りながら、各サロンで創意工夫をしている。
だからこそ、サービスの提供者と利用者という関係性ではなく「同じ地域で暮らす人たちで、一緒につくり上げる関係性」が生まれ、地域に応じた福祉の在り方を見せてくれています。

「ふれあい交流サロン」のような地域密着の「ついつい行きたくなる居場所」を増やしていくことの大切さを改めて感じました。

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

みんなのSUITADAY2024

開催日:3月20日(水・祝)

「みんなのSUITA DAY」は、公共空間の活用をテーマにした市民参加型イベントです。
3回目の開催となった今回は、南千里駅前の広場を使ってチャレンジしてみたいことを個人団体問わず市民に向けて募集し、企画立案をサポートしました。
あいにく、当日は天候が悪く、千里ニュータウンプラザ内での開催となりましたが、手作りワークショップを楽しむ子どもたちや、ダンスや空手などのステージを楽しむ参加者で大いに賑わいました!
今後も企画段階から市民の皆さんと共にイベントをつくるプロセスを大切にしたいと思います。

写真:2階・ホール ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!

写真:6階・ラコルタ みんなでお喋りしながら♪  

テーマカフェ
70年代の少女漫画でZINEを作ろう!

開催日:4月21日(日)

70年代の少女漫画を題材にしたコラージュ冊子ZINE(ジン)を作りながら、好きな作品や作家について語り合うテーマカフェを開きました。
長年大切に読まれている作品を持って来られた方や、リアルタイムで読んでいなくてもその時代の漫画が好きな方など、世代を超えて楽しく交流しました。
作り方を覚えたので、「自分の好きなテーマでもZINEづくりの交流会を開きたい」という人もおられ、居場所づくりや交流のヒントになったようです。

写真:切ったり貼ったり夢中になりました!

編集ノート

今回取り上げた「ふれあい交流サロン」は主に高齢者の居場所となっていますが、内閣府の全国調査を見ると、孤独感を感じている割合は20~50歳代の方が高い結果となっています。
SNSなど、つながり方が多様化する中で、若い世代に向けた孤独・孤立対策の取り組みにも焦点をあてていきたいです。
(春貴)

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