ニュースレター(HTML)

ニュースレター第16号(HTML版)2016年9月1日発行

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Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第1回 辰巳恵理さん
「“地元”を舞台に若者が発信する文化創造プロジェクト」

文福荘プロジェクト発起人&共同代表文福荘 
  
文福荘プロジェクトとは、老朽化した元学生下宿「文福荘」を地域の人が集える文化施設へと再生するため、2015年末に千里山出身の若者たちが立ち上げたプロジェクト。

文福荘:千里山東2-21-2
E-mail:bunpukuso@gmail.com

活動をはじめたきっかけは?

子どもの頃に習い事で通っていた場所が「文福荘」でした。
当時のメンバーで同窓会を開いた際、文福荘のオーナーであり、先生でもあった方から、「文福荘を活用してほしい」と話を持ち掛けられたのがきっかけです。

プロジェクトを通じて感じたことは?

まずは、文福荘を地域の人に知ってもらうため、ワークショップやマーケットなどのイベントを開催しています。
大人になってから、長く地元を離れていたのですが、イベントを通じ、あらためて人との繋がりが見えてきました。
友達や、親の世代、近所の人など、いろいろな人の力を借りることができ、地元の良さを実感しています。

これからについて

まちの景色が変わっていき、千里山を離れていった友達も沢山いますが、戻ってこられる場所が地元なんだと思います。
プロジェクトでは、自分たちのやりたいことを実現できる場にしていきたいと思っていますが、その中で、私たちの世代が思い描くまちの姿をカタチにしていきたいと思います。

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ここに注目!ラコルタの特集
子どもの育ちを社会で支える

リーマンショックの世界経済の揺らぎから、日本でも経済格差が問題になってきましたが、未だ格差は縮まるどころか「子どもの貧困」という大きな社会課題を生み出しています。
また、児童虐待の件数は8万8,931件に上り、貧困、虐待、DVなどの理由から家庭で生活できない子どもたちが4万722人おり、児童養護施設などで生活しています。(平成26年度厚生労働省)

家庭から隔てられた子どもは、健康や学力の面で不利を強いられており、保護者に代わって社会が養育・保護する仕組み「社会的養護」の必要性が高まっています。

本号では、国連子どもの権利条約(日本は1994年4月22日に批准、1994年5月22日に発効)で保障されている「子どもの最善の利益」を考え、「子どもの育ちを社会で支える」吹田市の取り組みや市民公益活動団体の事業について紹介します。

「子どもの貧困」などを生み出す社会を変えよう

特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば
理事長 村井琢哉

「子どもの貧困」という言葉が、社会にある程度認知され、その対応のために行われている「学習支援」や「子ども食堂(※)」といった実践が、大きくメディアで取り上げられるようになりました。
特に「子ども食堂」はこの1年、全国で多く実践されるようになってきました。
これだけ経済的に豊かだと言われてきた日本において、「子どもの貧困」が社会問題として市民に与えた衝撃が大きかったのだと思います。
そしてそのことに対して「ほっとけない」と思う市民が多くいた現れでもあります。

(※)「子ども食堂」とは子どもを対象に無料や安価で食事を提供する民間発の取り組み。

「子どもの貧困」問題に限らず、家庭においては虐待、家庭内暴力、ひきこもりといった子どもが直接巻き込まれている問題もあれば、いじめに代表される学校内の問題があり、子どもが過ごす環境が疲弊しています。
そして、子どもを支える専門機関では、虐待対策の担い手不足、子どもたちが暮らす児童養護施設などの受け皿不足、日々変化する問題への対応力強化不足など、複雑多様化する現在の問題に行政による対処にも限界がきています。
その結果、多くの子どもたちが支援からこぼれ、生きていく上での様々な権利に触れることなく、あきらめをもっておとなになっています。

このような現状の中で、例えば「子ども食堂」の取り組みは、本人・家庭・学校・各支援機関だけでは不十分である、子どもが育つ環境を、地域が作り出したひとつのスタイルであると思います。
全国で「子ども食堂」が増えているということは、子どもの育ちを地域で支える実践が今増えているということです。
一方で、実際に支援が必要であると考えられる子ども全員を受けとめられるだけの器になるかといわれると、それでも数は不足しています。
実際に問題が起こってからの対処だけでは根本解決にはつながりません。

このように「貧しさ」から生まれる「困りごと」への対応は、本人の努力と家庭の頑張り、地域の活動などで進んでいます。
しかし、地域の手の届く範囲となると、人数もわずかであり、いまだ困難を抱えたままの「見えていない子ども」には対応できていません。
何より「貧しさ」を生み出す社会自体が変わらなければ、根本解決にはならないのだと思います。
同じ社会に生きる子どもたちが、安心、安全に育ちあえるような現場での実践、そして、普遍的であり、漏れがない社会のあり方を子どもたちと共に提案しながら、真に「社会で支える子どもの育ち」への環境づくりを実現したいと思います。

村井琢哉さんプロフィール:
 特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば 理事長
関西学院大学人間福祉研究科修了 社会福祉士

2013年5月より当法人理事長に就任。
子ども時代よりこの活動に参加。高校生からはキャンプリーダー、運営スタッフを経験。
ボランティアの受け入れの仕組みの構築等も行う。
その後、副理事長、事務局長を歴任し、現職。公益財団法人あすのば副代表、京都子どもセンター理事。
主な著書(共著):『子どもたちとつくる貧困とひとりぼっちのないまち』(2013)

先進的な取り組み

“特定非営利活動法人 子どもデザイン教室”

仕事一筋だったグラフィックデザイナーの和田隆博さんは、自身の病気を機に、社会のために生きる道を選び、親と暮らせない子どもたちの存在を知りました。
児童養護施設出身者の生きづらさを社会的排除問題と捉え、デザインの力で解決したいとの思いで立ち上げたのが「子どもデザイン教室」です。

教室のコンセプトは、デザインを通して“将来を設計する力”を育むこと。
また、子どもたちと共作したキャラクターを企業に販売し、自立資金に充てる「子どもデザイン基金」や、養育里親にも取り組んでいます。 

お問い合わせ:子どもデザイン教室 
大阪市東住吉区山坂4-5-1
TEL 06-6698-4351

“NPO法人 西淀川子どもセンター”

西淀川子どもセンターでは、「子どもの人権」を活動の軸に置き、様々な事業に取り組んでいます。
活動の中で出会った子どもの中には「昨晩からごはん食べてない」と話す子どもが何人もいました。

そんな中、2014年度からスタートしたのが「いっしょにごはん!食べナイト?(夜間サテライト事業)」です。
「一緒にご飯を作って食べる」という時間を過ごすことで、子どもたちが自分らしくいられる「場」を提供しています。
また、夜の時間だけでなく、余暇支援として、休日の外出や、野外キャンプなどを通じた活動も行っています。

お問い合わせ:NPO法人 西淀川子どもセンター 
大阪市西淀川区御幣島6-9-3-101
TEL 06-6475-1372

吹田市の取り組み

吹田市では、平成25年度から「子ども健全育成支援事業」を実施し、課題がある生活保護世帯の子どもとその保護者への「日常生活支援・養育支援・教育支援」を行い、平成27年度からは、生活困窮世帯へ対象を広げ、支援を行ってきましたが、特に高等学校進学に向けた学習支援に取り組むため、平成28年8月より「生活困窮世帯の子どもの学習支援教室事業」を開始しました。

この事業は、生活保護世帯を含む生活困窮世帯の中学生(中学3年・2年・1年の順に優先、教室の定員有り)を対象とし、今年度は「特定非営利活動法人あっとすくーる」に事業を委託しています。
大学生を中心としたボランティアが個別学習支援を行うとともに、学習支援を通じて社会性や協調性を育むことにより、子どもの将来的な自立を促し、貧困の連鎖を防止することが目的となっています。

お問い合わせ:
吹田市生活福祉室生活困窮者自立支援センター
TEL:06-6384-1350
FAX:06-6368-7348

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

市民がつくるまち吹田
~自治基本条例から考えるセミナー~

開催日:5月15日(日)
ローカル・ガバナンス研究所の木原勝彬さんを講師に招き、地域自治の仕組みづくりについて学びました。
市民、議会、行政の三者が、対等な立場でまちづくりを進めるためのルールなどが定められた「吹田市自治基本条例」が施行から10年が経とうとしている中で、市民主権のあり方について考える機会となりました。
市民一人ひとりが、市政に対して関心を持てるよう、ラコルタからも情報発信をしていきます。

写真:講師から奈良の事例を紹介してもらいました

〈テーマカフェ〉老活
~あなたは自分の老後をどうしたい?~

開催日:5月19日(木)
40~80才代の11名が参加され、先ずは今関わっている活動で自己紹介。
健康維持の体操、傾聴ボランティア、フリーの介護職など、参加者のアクティブな生活がうかがえました。
自分自身だけでなく、家族など身近な人の幸せな老後のための“老活”として、回想法などの認知症予防、介護者として信頼できるドクターやケアマネを選ぶ、自分の趣味を活かして誰もが先生になり、教え合うことなどがあげられました。
自分がこれから何ができるのか、何がしたいかを考える時間になりました。
写真:ラコルタの職員が話題提供をしました

地域諸団体向け 会計講座
~みんなのお金の使い道を正確に記録する~

開催日:5月28日(土)
自治会・高齢クラブ・PTAなどの会計担当者から役員まで、16名の方が参加されました。
NPO法人市民ネットすいたの片岡誠さんを講師に招き、総務省発行の「コミュニティ団体運営の手引き」をもとに、会計事務の基本を学びました。
活発な質疑応答が繰り広げられ、「会員から集めたお金を管理する」という参加者の責任感がうかがえました。
講座終了後も、各団体で抱えている悩み事について相談が寄せられていました。
写真:市内の多くの地域からご参加いただきました

編集ノート

ラコルタには社会のために誰かのために「何かしたい!」という思いをもって来られる方が多く、それに対し職員は丁寧に応え、人と人を繋いでいきます。
本誌では、活動をする上で有益な情報を発信し、皆さんの可能性を広げる見やすい紙面を目指しますので、これからのカラー版を、どうぞ、お楽しみに~♥(坂手)

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