ニュースレター(HTML)

ニュースレター第18号(HTML版)2017年3月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第3回 小畑祥子(おばた さちこ)さん
「母親目線で伝える被災体験と防災」

子育て防災プロジェクト 代表

いざという時に子どもを守ることができる災害に強い地域づくりをめざし、被災体験を伝える防災講座・子ども向けワークショップなどを中心とした活動に取り組んでいる。

活動をはじめたきっかけ
~離れていても何かしたかった~

東日本大震災で被災した後、当時1歳の娘と大阪に一時避難しました。
被災地での生活とギャップを感じながら、離れていても何かしたいと思い、支援物資を届ける団体の事務作業を手伝い始めました。
その後、吹田市内で活動する復興支援団体から、被災体験を語ってほしいと声をかけられたのが、今の活動につながっています。

講演活動を通して
~共感してくれる人がいる~

講演会では、家族を守るために備えが必要なのだということを経験談としてお伝えしています。
被災体験を話すことには精神的な負担がありますが、子育て世代の方に話す中でたくさんの方が共感してくださり、最近少しずつ活動が楽しいと思えるようになってきました。

これからについて
~専門家ではなく、母親として~

防災について学んだ親が、今は守られる存在である子どもたちに防災の必要性を伝える、そんな家庭が増えていってほしいです。
防災の専門家ではありませんが、被災体験のある当事者として母として、これからも今の活動を続けていきたいと思っています。

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ここに注目!ラコルタの特集
「地域力」が「防災力」
~普段の生活に防災の観点を~

「防災」とは、災害を未然に防ぐ「被害抑止」や、被害の拡大を防ぐ「被害軽減」など、広く災害対策の意味で用いられることが多いです。
災害による被害をできるだけ少なくするためには、一人ひとりが自ら取り組む「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む「共助」、国や地方公共団体などが取り組む「公助」があり、それぞれの対策が必要になってきます。

とりわけ、「自助」「共助」によるソフトパワーは、今後さらに重要性が増すといえます。 

そのことから、地域防災力の向上のきっかけとなることを願い、本特集では、未来に起こり得る災害に向け、「自分たちの命は自分たちで守ること(自助)」を前提に、「災害にも強い福祉コミュニティづくり(共助)」にむけた取り組みに注目してみました。

「自分たちの地域は自分たちで守る」地域住民の協力・連携により結成。
自主防災組織

吹田市内の小学校区単位では、23地区(2017年1月現在)で自主防災組織が結成されており、その中の1つ、五月が丘地区防災委員会(※1)の大川正樹さんにお話を伺いました。

五月が丘地区では、地域の様々な団体が集まる場(連絡協議会)をつくっていることで、団体同士の連携が図られており、それぞれの活動も活発です。

毎年11月には、総合防災訓練(2016年度は250名参加)を実施しており、昨年は、ゲームアプリ「ポケモンGO」の流行をヒントに、まち中でAEDや公衆電話を探すというユニークな訓練も行われました。

また、どんと祭りの時に炊き出し訓練を行うなど、他の活動に上手く防災の要素を取り入れています。

そんな中、継続した取り組みの中で、見えてくる課題もあります。
以前、防災委員にアンケートをとったところ、災害発生時すぐに集まれる人は少ないことがわかりました。
働いている世代も多く、防災委員も被災者の1人だということです。
誰もが対応できるよう災害対策本部マニュアルの作成も進めていますが、日頃の意識と備えを一人ひとりが持っていてほしいと話してくれました。
写真:どんど祭りのチラシ  

〈自主防災組織の役割〉
平常時
●情報の収集・伝達
●出火防止、初期消火
●救出・救護
●避難誘導、給食・給水

災害時
●防災知識の普及・啓発
●災害危険の把握
●防災訓練
●防災資機材等の備蓄及び管理

〈消防庁発行の“自主防災組織の手引き”より〉
自主防災組織も防災活動だけを行うのではなく、地域のコミュニティとして地域の様々な活動と防災活動を組み合わせること、同時に消防団や地域の様々な団体と連携することが活動の活性化や継続につながっていきます。
つまり、普段からの地域での活動や連携が防災活動にとって重要な要素であるということです。
写真:段ボールで間仕切りづくり
写真:防災倉庫ツアー

(※1)「五月が丘地区防災委員会」は、阪神・淡路大震災(1995年)の翌年3月に吹田市内でいち早く結成された自主防災組織です。

五月が丘地区の活動:
ブログ 「知っとこ!五月が丘連合自治会」

各地域の自主防災組織に関するお問い合わせ:
危機管理室 TEL:06-6384-1753

インタビュー
「防災士(※2)の役割とは」

防災士 木村裕さん

自助・共助の防災活動という考え方は、阪神・淡路大震災以降、急速に広がり、その中で、民間が自律的に防災に取り組むシステムとして「防災士」が誕生しました。
防災の知識や技術を習得し、研修を積んだ人が地域にいれば、自ずとその地域の防災力は高まることになります。
ただ、防災活動は減災から復旧まで幅広いので、先ず「防災士」の活動は、地域住民や地域コミュニティに向けて、減災につながるよう、日頃からの備えの大切さを伝えることだと思っています。

また、いざという時に備えて、地域の自主防災組織と行政、要援護者と支援にかかわる関係機関やボランティアなどの連携を日常から図っておくのも、今後の「防災士」の大きな役割と考えています。

(※2)「防災士」とは、自助・共助・協働を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを、特定非営利活動法人日本防災士機構が認証した人です。

地域福祉活動を通じた「ゆるやかなつながり」づくり
吹田災害支援ネットワーク

吹田市における災害時の共助を促進するシステムのひとつとして、吹田市社会福祉協議会の呼びかけで、「吹田災害支援ネットワーク」をラコルタや吹田青年会議所などの市内の団体が世話人となって昨年度に立ち上げました。

平時から互いの活動をよく知り顔の見える関係を作ることや、普段からの地域福祉活動を通した「ゆるやかなつながり」の強みを生かすことと同時に、この「ゆるやかなつながり」がまた、今すぐにでも備えることのできる災害対策であることを、市民に伝えていきたいと考えています。

さらに、市民公益活動団体が災害時に他機関とどう協働して、どのような役割を果たすことができるのかなどについても、これから具体的な検討を重ねていきたいと思います。

写真:第2回の様子

市民目線の避難所知恵袋集

市民協働学習センター

市民協働学習センターでは、ひとつのテーマに基づき、学識経験者の講義の後、塾生による分析や研究を行う講座を開催しています。

2016年のテーマは「市民の自主防災」。それぞれが住んでいる地域を見つめ直し、課題解決のために必要なことを話し合いました。
研究の成果として「避難所知恵袋集(リーフレット)」を作成しています。

写真:成果の発表の様子

リーフレットご希望の方:文化スポーツ推進室 TEL 06‐6384‐1305

      

様々な角度から取り組む防災活動

子育て防災college(カレッジ)(※3)

子育て中の母親たちが立ち上げた家族を守るための防災を学ぶ『子育て防災college』。

いざという時に役に立つ知識やスキルを学び、実践に役立てることをめざしています。
クイズや防災グッズの使用実演・災害現場に派遣された災害レスキューナースの生の声や東日本大震災での被災経験談などから学べるようになっています。

知っているのと知らないのとではいざという時に大きく違います。
親世代だけでなく子ども世代に防災意識や知識を伝えていくことを目標に、来年度も継続開催を予定しています。

(※3)子育て防災collegeは、『子育て防災プロジェクト』と『スマイルママ防災部』による共同企画です。

写真:講座の様子

問い合わせ先:子育て防災college事務局
E-mail:bosaicollege@gmail.com

まちなか被災シミュレーション

知らないまちで被災した時、障がい者・子ども・土地勘のない人達などと一緒に助かるにはどうしたらよいか?
福祉系ハイパーユニット「アロハーズ(※4)」と地域団体が一緒に他者の目線でまちを見直すきっかけづくりをしています。

単なるまち歩きではなく、いざという時の避難経路は本当に大丈夫なのか?災害発生後1時間でどのような行動をとれるのか?
地元の人も一緒に生活視点を取り入れながら、実施までのプロセスを重視した新しいプログラムです。

(※4)福祉系ハイパーユニット「アロハーズ」とは、
(特活)日常生活支援ネットワーク パーティ・パーティと大阪ボランティア協会や大阪市社会福祉協議会、障がい者団体の有志で結成したチームです。

連絡先: まちなか被災シミュレーション運営事務局
Facebook「まちなか被災シミュレーション」    

写真:次回はあなたのまちで!梅田地下編の様子

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

産学官民交流会
~すいたdeコミット~

開催日:2016年12月8日(木)

定員を上回る33名が参加した今回の交流会は、事業者や行政等、多様な顔触れが揃いました。
前半は、6団体が事業の協働を呼びかけるプレゼンテーションを行い、後半は、吹田の未来や協働について考えるカードゲーム「吹田版フューチャーゲームセンター」で交流しました。
参加者からは、「色々な活動・意見が聞けて良かった。」
「大勢の人が集まると大きなエネルギーを生むのですね。」
「産学官民それぞれが抱えている課題について意見交換ができたらいいな。」などの感想をいただきました。

写真:地域資源を活用するゲームで交流

〈テーマカフェ〉
子どもの育ちを社会で支える

開催日:2016年11月27日(日)
最初に、ゆいぴあの山本館長から「子どもの養育において、第一に責任があるのは保護者であるが、保護者だけに責任があるというのは大間違いで、社会というチームで支えていく必要がある。」とお話しいただきました。
その後、3団体から事例発表があり、学習支援・キャリア教育・生活支援など多様な支援のあり方について学びました。
参加者からは「子どもの貧困に、どう関わっていくかを考えられた。」「多面的な解決の可能性を実感しました。」などの感想をいただきました。

写真:30名の方にご参加いただきました!

〈テーマカフェ〉
依存症

開催日:2016年12月13日(火)
薬物依存症の回復支援に取り組むフリーダムから谷口伊三美さんを講師に迎え、アルコールやギャンブルも含めた依存症問題についてお話しいただきました。
依存症は意志の弱さが原因とされたり、一度でも薬物を使用すると引き返せなくなるなどの誤解や偏見があります。
薬物の使用を違法にしないことで、使用者が発見しやすくなり、支援に繋げやすくなったという海外の事例も紹介いただきました。
依存症は、治療や支援の対象であるという視点を社会の中で広めていく必要がありそうです。

写真:福祉関係の方などにご参加いただきました

編集ノート

ニュースレターVOL.18を読まれていかがでしたか?
編集に関わっていると、地域には、身近な困りごとを何とかしたいと思う人や、困っている人の力になりたいと思う人達の温かい目とパワーを感じます。
生きていくには、「人」「モノ」「金」どれも大切だけど、その中でも「人」の力には無限の可能性がある気がしました。(岩城)

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