ニュースレター(HTML)

ニュースレター第22号(HTML版) 2018年3月1日発行

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Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第7回

表紙の記事については、都合により非公開とさせていただきます。
2024年3月29日 更新

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ここに注目!ラコルタの特集
ITで挑む地域課題
~シビックテックをはじめよう~

東日本大震災以降、市民がITを活用し、地域課題を解決する“シビックテック”の取り組みが全国各地で広がりをみせています。
WEBサービスやアプリケーション(以下、アプリ)の開発など、専門家にしかできない分野・領域から、既存のサービスを活用したまち歩きのイベント開催など、その取り組み内容は多岐にわたっています。

一方、2016年12月に官民データ活用推進基本法が施行されました。
これは各自治体で、行政手続きのオンライン化や、オープンデータの取り組みなどを進めていくことが目的とされています。
特にオープンデータ化が進むことにより、官民協働による取り組みがますます盛んになっていくと期待されています。
こういった情勢を踏まえ、本号ではITを活用した、これからの市民公益活動の可能性について考えます。

知っておきたい 3つのキーワード

【シビックテック】

Civic(市民)+ Tech(テクノロジー)による造語。
ITを活用し、市民の力で地域課題を解決しようという考え方や活動。

【Code for~(コード フォー)】

シビックテックに取り組むコミュニティで、Code forの後ろには地域名が入る(Codeとは、プログラミング用語に由来)。
法人格を有する団体もある。

【オープンデータ】

商用・非商用に関わらず、二次利用が可能であるというルールに基づき、
汎用性がある形式で公開されているデータ。

多様な人がつくる 日本のシビックテック

一般社団法人 コード・フォー・ジャパン  
事務局長 陣内一樹(じんのうち かずき)

シビックテックはアメリカをはじめとした世界各国で活発に行われています。
その中で、日本のシビックテックの特徴としてあげられるのは、活動している団体の多さと多様性です。

日本には“Code for~”と名乗り、シビックテックの活動をしている団体が全国に80以上あり、世界的に見ても非常に多いです。
また、各団体の活動内容も非常に多様です。定期的な勉強会やアプリなどの開発の他、アイデアワークショップや地図づくりなどのイベントも行われています。
団体の規模も数人〜40人程度までと様々です。

各地の活動内容が多様であることの大きな要因は、活動メンバーが多様であることです。
シビックテックという言葉からは、活動に参加している人がエンジニアなどITを専門にしている人たちがほとんどだと思われるかもしれません。
しかし、実際には、エンジニアの比率は四分の一程度で、公務員やIT以外の会社員、行政区長、専業主婦など様々な方が参加しています。

シビックテックはITを活用して地域課題を解決する活動ですが、課題解決は技術がある人だけではできません。
また、IT以外の要素も重要になります。そのため、課題を抱えている人やアイデアを出す人など様々な人が参加し、一緒に活動を行っています。
主体的に地域のことを考える人たちが集まり、行動へとつなげていく場であること。
それがCode for~の重要な役割です。

そして、活動が活発な地域ではメンバー同士の仲が良いことに加えて、継続的に新たなメンバーが入ってきています。
そのために、子連れでも参加しやすい工夫や雰囲気など、誰もが参加しやすいような配慮がされています。
また、意識的に学生や若い社会人など、普段はあまり地域活動に参加しない人たちを積極的に誘っている地域もあります。

今回、新たに立ち上がった“Code for SUITA”も多様でオープンな活動を進めていって欲しいと思っています。
そして、ぜひシビックテックの活動自体を楽しんでください。

図:各地域で活動している“Code for~”のロゴと名称

陣内一樹(じんのうち かずき)さん プロフィール:2007年にNEC入社。
2013年復興庁に出向し、福島県浪江町役場に勤務。
避難中の町民向けアプリの開発事業などを担当。  
2017年4月から現職。

オープンデータの活用事例

ごみ出しの日がわかる5374.jp
(ゴミナシ.jp)

5374.jpは、自分の住んでいる地域を選択すれば、一番近いごみの日の情報が表示されるサービスです。
2013年にCode for Kanazawaが開発し、金沢市がオープンデータとして公開しているごみ収集の情報を活用しています。

5374.jpの仕組みはWEB上で公開されており、金沢市以外の地域でも無料で取り入れることが可能です。
2017年末現在、117以上の地域で活用されており、国産初のシビックテックアプリとして全国各地で広がりをみせています。

写真:アプリの画面。
色でゴミのジャンルを表示、捨てられるゴミの一覧も見られる

吹田市内の動き

Code for SUITAスタート!

2017年8月、シビックテックをテーマにした勉強会をラコルタが開催し、市民公益活動団体や吹田市、事業者、大学関係者など26名が集まりました。

ゲストに、Code for IKOMA代表の佐藤拓也さんをお招きし、生駒市内での取り組みやオープンデータの定義などについてお話しいただきました。

その後、NPO法人市民ネットすいた がCode for SUITAの呼びかけ人となり、情報交換や5374.jp 吹田市版の試作など、シビックテックの取り組みが進められています。

事務局:NPO法人市民ネットすいた
https://ja-jp.facebook.com/code4suita/ 

写真:8月に開催した勉強会の様子

ITを活用!スマホで巡る千里山

2016年7月から8月にかけて、千里山商栄会が主催となりモバイルスタンプラリーが開催されました。
これは、専用のアプリをダウンロードすれば、あらかじめ登録された場所で、電子スタンプが押される仕組みになっています。
商店や、まちの名所、防災といったテーマごとでコースをわけ、全123か所にラリーポイントが設置されました。

千里山は転入者や関大生が多く住んでおり、若い世代の人に地域のことを知ってもらいたいという思いで取り組まれました。
30ポイント集めた人には記念品などが進呈され、およそ150名の人が参加されました。

写真:地域の歴史や住民目線の情報も知ることができる

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

〈テーマカフェ〉
スーパー自治会 活動を思いつく

開催日:2017年11月30日(木)
11月のテーマカフェでは、自治会活動を面白くしていくためのアイデア出しを大喜利形式で行いました。
20代~80代まで、幅広い世代の方が集まり、自治会長を務めておられる方から、自治会のない地域に住んでいるという方も。
ユニークなアイデアが飛び交い、笑い声の絶えない会となりましたが、活動で感じる課題や、世代間による意見の違いなどが垣間見える貴重な機会となりました。
最後に、出てきたアイデアの中から自分が実現したいと思うアイデアを発表し閉会しました。

写真:会費10万円でも入りたい自治会!

歳末ボランティアフェア

開催日:2017年12月14日(木)
これからボランティア活動を始めたい方に向けて、市内で活動する15団体がブースを設け、活動紹介や個別相談を行いました。
参加者の年齢も幅広く、活動について、団体から直接話を聞く機会が少ない中で、ゆっくり話を聞けて良かったとの感想がありました。
ラコルタサポーターも、参加者の呼び込みや案内等で大活躍!

また、参加団体同士の交流もさかんで、普段接点のない団体が分野を越えて、お互いの活動を知り合うきっかけにもなりました。

写真:吹田市外からも参加いただきました

サクサクすすめる会議術

開催日:1月20日(土)
特定非営利活動法人SEINの宝楽陸寛さんを講師に招き、ホワイトボードを活用した会議術について学びました。

3時間にわたる講座では、グループにわかれての実践が中心となりました。
会議での意見は「発散→収束→活用」の3つに色分けをし、進行役がホワイドボードに書き込んでいきます。
「意見を聞きながら書くのが難しい」という声もありましたが、「技術なので練習を積み重ねれば上達します」と講師からアドバイスがありました。

写真:講師のお手本にくぎづけ

編集ノート

小学校でのプログラミング教育が2020年より必修化となりますが、プログラミングが注目される背景には、ITの普及だけでなく、物事を論理的に考え、解決していく力が身につくからだと言われています。
ロジカルシンキングと言われるこの力は、地域や社会の様々な場面でも役立つのではないでしょうか。
(春貴)

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