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Be Social
私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。
第13回 井上忠一さん
「加齢しても老化しない自分らしい生き方」
福岡県出身。
東山田に在住。
大手家電メーカーでプロダクトデザイナーとして勤務。
その時の経験を活かし、地域の防災や魅力の掘り起こし、地域住民の健康づくりなど幅広い活動を展開。
趣味は古代史。
自分の世界を狭くしない
これまで生きてきた70余年。
現役引退して、漫然と過ごすことだけは避けたいと思っていました。まず思いついたことは、地元の歴史を知ることでした。
始めてみると、自分の住む地域の現状が見えてきました。
責任を持ってやり遂げる
具体的には、私の住む集合住宅も年々高齢化し関係が希薄化していると感じました。
そこで4年前、交流を目的に、健康体操のクラブ創設を思いつきました。
計画段階で行政や自治会などに説明した回数は32回に及びます。
始めるまでは、反対する人もおり苦労しました。
いろいろな考えの方がいるし、現役時代と違い役割で人は動きません。
しかし一旦自分で決めたことですので、人任せにせず責任をもって実現にこだわりました。
残りの人生を楽しく過ごす
私も年齢を重ねましたが、今が体力や気力とも最高の時期だと思っています。
今しなければこれからもできない、この瞬間がラストチャンス!という気持ちです。
大事にしているのは、一人ひとりをリスペクトし、人の嫌がることをしない、失敗を恐れないこと。
人生100年時代に向けて、地域で楽しく人生を過ごしたいですよね。
ここに注目!ラコルタの特集
災害時に地域がどう動くか・どう動いたか~防活のすすめ~
昨年は、大阪府北部地震、台風21号などの災害に見舞われ、また、近年は、ゲリラ豪雨などの予期せぬ異常気象も発生しやすくなっています。
一方で災害に対する市民意識は高くなってきており、自分たちの街は、自分たちで守る自主防災組織の活動が市内でも活発になってきています。
ただ、吹田市内の自主防災組織は、コミュニティのまとまりや活動内容が各々異なるため、その活動において地域差があります。
そのような中で、吹田市では「平成30年(2018年)に発生した自然災害への対応報告書」を作成して課題整理をしており、自主防災組織への支援に向けて、地域課題の把握に努めているところです。
本特集記事では、地域での主体的な防災の取り組みを紹介しています。
災害時に自分たちの住む地域が、どう動くかを考えてみましょう。
災害は突然やってくる!
2018年 吹田市で相次いだ災害
・大阪府北部地震 6月18日 吹田市震度5強
・西日本集中豪雨 6月28日~7月8日 近畿地方では600ミリを超える大雨
・記録的猛暑 8月 ※国が「命の危険がある暑さ」「災害級」と警告
・台風21号 9月4日上陸 最大風速44.4m/s
【どう動くか】
山二地区防災対策委員会
~自治会の枠を超え地区全世帯に発信~
千里丘は丘陵地で洪水などの心配が少ないことから、住民の災害への意識は高くありませんでした。
しかし、昨年の相次ぐ災害、特に大阪府北部地震では千里丘は震源地に近く、家屋の瓦が落ちるなどの被害も出ました。
ただ、結果的に昨年の災害が、地域住民の防災意識を高めるきっかけとなり、「災害時に、市内でいち早く行動を起こせる地域にしたい」と活動を始められました。
また、防災に自治会の垣根は設けないという考えから、自治会に加入しているかに関わらず、全世帯を対象とした活動を展開されています。
山二地区防災対策委員長で連合町会長でもある橋本喜代松さんは「向こう3軒両隣、地域の助け合いの和をどう広げるか」「身を守るための情報を地域にどう発信するか」が大切と語っておられます。
また、山二地区防災対策委員会の岡崎太郎事務局長は「活動を広げていくには、今行っている取り組みを地域の方にもっと知ってもらうことが必要」と語っておられます。
安否確認カードの地区全戸へのポスティングを始め、広報紙の発行・全戸配布、ポスター掲示・回覧など、様々な方法で活動の普及に力を入れています。
千里丘の地域防災の取り組みが、一つのモデルとなって市内全域に広がることが期待されます。
写真:山二地区防災対策委員会広報紙
“取り組み概要”①災害時安否確認カード
~全世帯をカバーする活動の根幹~
災害時安否確認カードは、自治会の加入の有無に関わらず地区5000戸に100名のボランティアの手によって配布しています。
今年の1月20日と6月16日の防災訓練時には、災害時安否確認カードを一斉に掲げる取り組みを展開し、共に約半数の世帯が自宅の扉や門に掲げました。
また、災害時安否確認カードの制作費は、地区が運営する施設の自動販売機の売上の一部を業者に還元してもらい、賄っています。
写真:玄関のドアノブにかける
“取り組み概要”②地区一斉メール
~SNSをしない方も情報を得られるように~
運営に当たっては、誰が災害被害に遭うか分からないため、7人の管理者がおり、情報発信の優先順位をつけて対応し、情報発信がストップしないよう工夫を図っています。
7月時点で671件の登録があり、当面1000件の登録をめざしています。
“取り組み概要”③地区防災計画づくり
~いざという時にどうするかを決めておく~
災害に備える本格的な体制づくりとして、災害対策本部、避難所や備蓄、災害時要援護者支援等など、いざという時にどうするかを明文化する計画づくりに現在、取り組んでいます。
“地域の連携”
千里丘連合町会を始めとして、地区内の福祉委員会や青少年対策委員会、防犯協議会、小学校、千里丘市民センターなど15の地域諸団体が連携・協力し、地域をあげて取り組む体制が取られています。
山二地区防災対策委員会へのお問い合わせ
山二地区公民館 TEL/FAX : 06-6877-9800
吹田災害支援ネットワークと吹田市災害ボランティアセンター
〈2018年 大阪府北部地震時・台風21号時〉
~災害時のネットワークの力~
吹田市社会福祉協議会では、いざという時に顔の見える関係づくりを目的に、市民団体同士が防災に取り組む「吹田災害支援ネットワーク」を2015年度に立ち上げ、ラコルタも世話人として参加しています。
この吹田災害支援ネットワークは、吹田市社会福祉協議会が、大阪府北部地震時と台風21号時に吹田市災害ボランティアセンターを開設した際に、大きな役割を果たし、被災者支援の力となりました。
写真:吹田災害支援ネットワーク会議
お問い合わせは、吹田市社会福祉協議会(事務局)
TEL: (代表)06-6339-1205
E-mail: suisyakyo@mua.biglobe.ne.jp
【どう動いたか】
他市の事例 岸和田市 社会福祉協議会
~災害をきっかけに地域を結び直す~
岸和田市は、昨年の台風21号で甚大な被害を受けました。
その際に復興で大きな役割を果たしたのが、地域コミュニティでした。
岸和田市では、昭和50年代から小学校区毎に市民協議会が立ち上がっており、町会、自治会を中心とした全世代型の組織で、普段の地域行事などにも人を集めやすい体制になっていました。
昨年の台風21号時には、だんじり祭の10日前に上陸して大きな被害が出ましたが、自主防災会と連携して地元の青年団が軽トラックで町中のごみ回収に奔走し、災害被害の片付けが早く進みました。
このような既存コミュニティによる迅速な活動がなされる一方で、単身高齢者、障がい者、地域活動に関わっていない人など既存コミュニティとつながりが薄い人がいるという課題もみえてきました。そのような既存コミュニティと接点の少ない人と地域を結び直す役割を果たしたのが、岸和田市社会福祉協議会の立ち上げた岸和田市災害ボランティアセンターでした。
岸和田市社会福祉協議会の青山織衣さんは「町内会、民生委員、福祉施設などと協力して、地域で漏れなく手を差し伸べられる取り組みが必要。地域コミュニティの空白を塗りつぶしたい」と語られています。
通常の災害ボランティアセンターは、市外からのボランティアを受け入れ、被災者につなぐものが主ですが、岸和田市災害ボランティアセンターの場合は、地域で人をつなげる仕掛けとして、一般ボランティアの募集を市内の人に限定し、困っている人から依頼があった場合、まず、居住する地域のボランティアに行ってもらう誘導をしていました。
また、地域密着型の支援として、だんじり祭により災害ボランティアセンターの建物が閉館となった際に、市内8か所でデイサービス等の福祉施設を拠点に災害ボランティアセンターをサテライトとして運営しました。
さらに、祭開催中は、ニーズの掘り起こしのため気軽に相談できる休憩所を設けました。
岸和田市社会福祉協議会の取り組みは、従来の災害ボランティアセンターの枠を超え、災害をきっかけにして、地域でのつながりを再構築する画期的な取り組みとなっていました。
写真:自主防災会と青年団の活動の様子
写真:気軽に相談できる休憩所
あとがき
皆さんの防活を応援します!
今回の取材を通じて、災害時における共助の大切さを改めて知りました。
いつ起こるかわからない災害に向け、普段から地域でどう動くかを話し合い、備えておく防活の取り組みをラコルタでは今後も応援していきます。(スタッフ)
THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!
広報担当者養成講座
ワンランク上のチラシをつくろう!
開催日:6月18日(火)、7月2日(火)、7月16日(火)
本講座は、ラコルタの職員が講師となり、開催をしました。
広報の基礎や、デザインのコツ、ワードの使い方などを学びながら、最終日には、各自が作成したチラシを持ち寄って、お互いに意見交換を行いました。
参加者からは、「初歩から丁寧に教えて頂き、非常に参考になった」「実践まで行え、フィードバックをもらえたことが良かった」などの感想をいただきました。
個別相談も随時お受けしていますので、広報についてお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
写真:10団体の方が参加されました
ちょっと気になるテーマでおしゃべり
映画のなかの「マイノリティ」なひとたち
開催日:7月27日(土)
映画には、時代を問わず、あるいは国や民族、宗教を問わず、セクシャルマイノリティや障がい者が登場する名作がたくさんあります。
そういった作品を紹介しながら「ふつうって何だろう?」をみんなで考えるテーマカフェを開催しました。
10代~60代まで、実に幅広い年齢層の方が参加してくださり、「学校では学べないことを知ることができてよかった」「感性が揺さぶられた」という声も。
終了時間を回っても、パンフレットや資料を見ながら、あちこちでおしゃべりが続いていました。
写真:いや~映画って本当にいいですネ!
夏休みのテーマカフェ「しぎかい見学会」
開催日:8月6日(火)
市議会議員の協力を得て、議会の仕組みや議員の仕事について学び、議場見学をしました。
その後、吹田を良いまちにするために「今の私でできること」「議員になってやってみたいこと」を考えました。
学校生活など自分の周りのことだけではなく、消費税などいま社会で話題になっている問題にも関心を持っている参加者も多かったです。「市議会について知らなかったが、少し親近感を感じた」「市議会議員になりたいと思った」との感想があり、政治を身近に感じてもらう機会になりました。
写真:32名の小学生が参加しました!
写真:議員席で写真をパチリ♪
写真:自分にできることは・・?
編集ノート
「ここにいてはダメです」江戸川区の水害ハザードマップの衝撃的なメッセージ。
(どこに逃げろというの?)人任せな言葉が浮ぶ。
実家が南海トラフ沿いにあり、不明瞭な防災マップを睨んでいた私は、どこに?の答えが出ないもどかしさが重なる。
そろそろ・・・いや早く答えを見つけねば。たとえ満点ではなくても。
(茨木)