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Be Social
私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。
第22回 小松 紫穗里さん
「ICTの経験を 地域に活かす」
3年前に吹田市へ転入。
4人の娘を育てながら、リモートワーク社員として勤務。
2020年に北摂地域の保護者が集まりNext Education for Suita(NES)を発足。
より良い教育のあり方を探る勉強会等を開催している。
出産を機に
学生時代は日本語教師の実習生としてタイに行くなど、海外に関心があったのですが、出産後は遠出できないこともあり、地域に目を向けるようになりました。
当時は、千葉県流山市に住んでいたのですが、フリーランスでウェブの仕事をしながら、近所にあったシェアオフィスに通うようになったのです.
DIY精神
そこは、地域活動の拠点にもなっており、自分のスキルを活かしたい人や、まちを良くしようという人が集まっていました。
流山市は小さいまちで、何もないところなのですが「なければ自分たちで創ろう」という精神が地域に根付いていたのです。
そこで出会った人や活動を通じて、市民の力で暮らしやすいまちに変えることができるのだと実感しました。
吹田での活動
吹田でも活動できる場所を探していました。
そんな中、コロナ禍により、にわかにオンライン教育の導入が進んでいったのですが、学校も行政もICTの専門家ではないので、保護者によるボランティア活動として、オンライン教育のサポートができないかと考えました。
まだ活動を始めたばかりですが、保護者や先生といった立場を超えて、より良い教育環境を共に創っていきたいです。
ここに注目!ラコルタの特集
地域活動におけるデジタル化の可能性
地域コミュニティの中心となる自治会ですが、年々加入率が下がっており、多くの自治会が担い手不足や自治会離れといった課題を抱えています。
一方、コロナ禍により対面の活動が制限される中で、ICT(情報通信技術)を活用した事例が増えつつあります。
そこで、吹田市内の単一自治会にご協力いただき「自治会活動におけるコロナ禍の影響とICTの活用実態調査」を実施しました。
調査によると、コロナ禍の影響について「影響があり、現在も続いている」と回答した団体が88.8%と最も多く、特に行事や会議の中止を余儀なくされたという実態が見えてきました。
また、ICTを利用することが難しい方がおられるなど、デジタル化が進まない要因も明確になりました。
本号では、調査結果の速報と共に、他市の先進的な事例をご紹介することで、地域活動におけるデジタル化の可能性を探ります。
吹田市内における自治会活動の
ICT(情報通信技術)について
【調査概要】
自治会活動におけるコロナ禍の影響とICTの活用実態調査
対 象:吹田市内の単一自治会 全557団体
時 期:2021年 8 月~9月 回収数:358通(回収率:64.3%)
はじめに、各単一自治会でのICT活用状況を見ると「よく活用している」「ある程度活用している」という回答を合わせて、全体の約2割の団体が、ICTを活用していることがわかりました(図1.円グラフ参照)。
活用例の多くは、メールやLINEなどを活用し、会議や行事の連絡を行っているというものでした。
中には、WEB会議を取り入れたり、電子決済で会費を徴収している団体もありました。
〈図1.ICT活用状況〉
・よく活用している 3.9%
・ある程度活用している 17.9%
・あまり活用していない 23.5%
・まったく活用していない 43.0%
・よくわからない 7.8%
・無回答・無効 3.9%
一方で、約8割の団体がICTを活用していませんでした。
活用していない理由としては「高齢者や障がい者など、ICTを利用することが難しい方がおられる」という回答が一番多い結果となっています(図2.棒グラフ参照)。
自由記述の回答欄にも、高齢であるため活用が難しいといった意見が多く寄せられていました。
活用していない理由として「現在の活動に不都合を生じておらず活用のメリットを感じない」という回答も多い結果となりましたが、今後の活用について尋ねた質問では「どちらかと言えば活用した方が良い」「活用した方が良い」という回答を合わせて、49.5%の団体がICT活用に対して前向きな姿勢が見られました。
〈図2.活用していない理由〉
・高齢者や障がい者など、ICTを利用することが難しい方がおられる 48.1%
・現在の活動に不都合を生じておらず活用のメリットを感じない 39.5%
・ICTによるシステムを継続的に維持管理できる人材が確保できない 36.8%
・ICTを利用できる人・できない人との間の情報格差が生まれる 36.5%
・自治会活動におけるICTの活用方法がわからない 26.7%
・会員等の個人情報を扱う場合セキュリティ体制の確立が難しい 15.4%
・導入費用や維持管理に係る経費の負担が大きい 7.5%
・経済的な事情からICTを利用できない世帯がある 3.0%
・その他 5.3%
※調査結果の一部を抜粋しています。
報告書をご覧になりたい方は、ラコルタへお問い合わせください。
事例紹介
下記で紹介する事例は、地域活動の様子を広く発信することで、活動に対する関心を高める事例①と、災害時に会員への緊急連絡にICTを活用した事例②です。
デジタル化が進むことで、業務の効率化や負担軽減、コミュニケーション手段の多様化といった効果が期待されますが、ICTの特性を上手く活かすことで、自治会の価値を高め、加入促進にも繋げていけそうです。
事例①
大阪市大正区 “SNSで地域情報をタイムリーに”
町会をはじめ、地域諸団体で構成された泉尾東地域まちづくり実行委員会では、コロナ禍により活動が停滞していました。
しかし、地域の活動拠点であった泉尾東福祉会館の建て替えが行われていたこともあり、工事の進捗状況を発信したいという思いから、SNSを開設しました。
開設に向けては、地域活動の支援を行う大正区まちづくりセンターに依頼し、SNS勉強会を実施しました。開設後も、わからないことがあるとその都度センターにアドバイスをもらいながら運用しています。
会館完成時、引っ越しの手伝いを呼びかけたところ、SNSの案内を見て手伝いに来てくれた人もいたそうです。その後も、ちょっとした地域の情報をタイムリーに発信できるメディアとして役立てています。
例年取り組んでいた行事がコロナ禍で中止となりましたが、その分の時間をSNSの運用に費やすことができました。
現在は、防災や地域の魅力を伝えるYouTubeチャンネルも準備中です。
事例②
茨城県常総市 “SMSで防災・減災に貢献”
根新田町内会は、2014年からSMSによる連絡手段を取り入れており、約100世帯の住民に対して行事の案内や地域の情報を一斉送信しています。
鬼怒川が氾濫し甚大な被害を及ぼした「関東・東北豪雨災害(2015年)」では、励ましの言葉なども添えながら、水害の状況や避難所情報などを送信し、減災に貢献しました。
送信は1通あたり15円の費用が発生しますが、電話などで緊急連絡を行っていた頃に比べると、迅速かつ簡略化した手段となっています。
SMSの一斉送信を行うには、一斉送信のサービスを提供している会社と契約しなければなりません。
本来は事業者向けに提供されているサービスのため、固定費などの負担が大きくかかります。
しかし、導入にあたって各社へ問い合わせをする中で、㈱Post-Onは「社会の役に立つなら」という思いで、送信件数に応じた料金のみを支払うプランを考案してくれました。
携帯電話があれば受信することができるため、若年者から高齢者まで対応できる連絡手段として、全国からも注目されています。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)と
SMS(ショートメッセージサービス)
何が違うの?
SNSとは
Facebook、Twitter、LINE、Instagramなど、登録した利用者同士が交流できるサービスです。
インターネットの接続環境があれば、パソコン、スマートフォンなどから利用できます。
無料で利用できることから、活動に取り入れやすく、会員以外の住民など不特定の人へ情報発信することが可能です。
SMSとは
SMSは、携帯電話の番号のみで文字を送受信できるサービスです。
受信料は無料ですが、送信者には料金が発生します。
携帯電話があればすぐに利用できることから、SNSに比べて利用できる年齢層が幅広くなります。
送信先の電話番号を把握する必要があるため、会員など特定の人へ情報発信する場合に効果的です。
THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!
オンラインツールを使いこなそう!
開催日:10月14日(木)
ラコルタの職員が講師となり、ZOOMの基本的な使い方やホストのやり方、円滑にオンライン会議を行うためのポイントなどをお話ししました。
また、後半は会場を2つに分け、オンラインと会場をつなぐハイブリッド形式での開催方法を体験。
長期化するコロナ禍の影響もあり、オンライン会議に『参加する』機会は、徐々に増えてきたようですが、今回の講座を活かしていただき、ホスト役やハイブリッド形式での開催に、是非チャレンジしていただければと思います。
みんなで読んで考えてみよう!
パブリックコメント
開催日:10月30日(土)
市民の声を行政の施策に反映するひとつの方法として、「パブリックコメント」について身近に考えてみる講座を開催しました。
京都市の「対話型パブリックコメント」など全国のユニークな取り組みを学びながら、実際に意見の募集が行われていた大阪府の「大阪パークビジョン(案)」と堺市の「財政危機脱却プラン(素案)」を読み合い、意見交換をしました。
1月に開催予定のテーマカフェでも、引き続きパブリックコメントを取り上げる予定です。
社会事業家
渋沢栄一のめざしたもの
開催日:11月13日(土)
渋沢栄一の中心的な考えである「道徳経済合一説」や、それに基づく社会事業家としての実践について、認定NPO法人さいたまNPOセンターの松本博之さんからお話を伺いました。
渋沢がめざした、国内の窮民をなくす、そのためには貧困を予防する取組みが重要であるという考えは、SDGsの理念「誰一人取り残さない持続可能な社会」と重なります。
彼の思想から「公益」とはどうあるべきかを学び、現代社会のあり方を考える機会になりました。
編集ノート
ステイホーム中、飲食店のテイクアウト利用などで家庭ごみの量が急に増えました。
ならば、とこのタイミングで生活そのものを見直してみました。
「使い過ぎ」はないか、「使い捨て」を避けられないか、試行錯誤しながらごみの削減に挑戦しています。
いつかコロナ禍が終息しても、続けていきたい「新しい生活様式」です。(入江)