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Be Social
私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。
第27回 白川 珠美さん
「福祉=ハッピー♥♥」
ハロー!!福祉代表
5人の子どもを育てながら、障がい福祉の仕事に従事(週1回はスパイスカレー屋)。2021年に団体を発足し、障がいの有無に関わらず楽しめる音楽イベントを千里南公園で開催している。
活動の原点
小学生の頃、授業についていけず、先生から特別支援学級に入ることを勧められていました。
私は、それが恥ずかしいことだと感じていたのか、周りの目が気になったり、複雑な思いがありました。
一方で、発達障がいのある友達と遊ぶことが楽しかった思い出も残っています。
福祉の仕事や活動をはじめた原点には、そういった経験があったからかもしれません。
難しさも一緒に楽しみたい
障がい者の方を中心に企画を進めていきたいのですが、例えば言語障がいのある人と、どのようにコミュニケーションをとれば良いのか悩むことがあります。
その時にどうすれば良いのかみんなで考えることが一番大事だと思っています。
様々な特性を持つ人たちとイベントをつくることで、自分自身の価値観も広がっています。
自分をさらけ出せる場
健常者と比べると、人との出会いや、やりたいことを実現できる機会が少ないように感じます。
社会参加というと大袈裟かもしれませんが、守れるだけの存在ではなく、安心して自分をさらけ出せるような場所をつくることで、福祉のイメージを変えていきたいです。
ここに注目!ラコルタの特集
速報版 2022年度 吹田市における
市民公益活動団体の実態調査報告
はじめに
ラコルタでは、団体のニーズに対応した支援を行うため、5年ごとに市民公益活動団体実態調査を実施しています。
これまでの調査では、団体の課題の多くは、メンバーの高齢化、次世代への引継ぎや新たな人材確保の困難さなど、活動の担い手に関するものが挙げられてきました。
前回の調査から5年が経ち、その間にコロナ禍による社会変化が生じたことで、市民公益活動団体も多大な影響を受けました。
本特集では、実態調査の速報として、①コロナ禍を経た、団体のモチベーションに対する変化と、多くの団体が課題と捉える②市民公益活動を支える担い手の変化や傾向の2点について、調査結果の一部をご紹介します。
調査の概要
調査:ラコルタ|吹田市立市民公益活動センター
調査対象:「市民公益活動内容等届」を提出し、受理された団体 (2022年7月1日時点)
調査方法:アンケートを郵送し、郵便受取人払・窓口による回収
調査時期:2022年7月中旬~9月下旬
配布数:282通
回収数:184通
回収率:65%
報告書の本編は、ラコルタのHPよりご覧いただけます。
①コロナ禍を経た、団体のモチベーションに対する変化
【円グラフ】
- コロナ禍以前よりモチベーションが下がっている・・・16%
- どちらかというと、コロナ禍以前よりモチベーションが下がっている・・・28%
- コロナ禍以前よりモチベーションが上がっている・・・4%
- どちらかというと、コロナ禍以前よりモチベーションが上がっている・・・10%
- 特に変化はない・・・40%
- 無回答・無効・・・2%
コロナ禍以前よりモチベーションが下がっている
代表的な意見
- 人との接触を控えている、集まることへのためらいがある
- 子どもや高齢者を対象としており、感染拡大が心配
- 長期の活動制限から、会員のメンタル面での影響が出ている
- 公共施設の閉鎖や利用制限により活動の機会が減った
- 参加者や新規の問い合わせが減った
- 活動休止の間、会員の高齢化が進んだ・退会者が増えた・会員と疎遠になってしまい再開に不安がある
など
コロナ禍以前よりモチベーションが上がっている
代表的な意見
- オンラインを導入し、活動の幅が広がった
- 社会問題がより顕在化し、活動の意義を再確認した
- 世代交代が進み、方向性が決まってきている
- 安心して活動できる場の必要性を再確認した
など
特に変化はない
代表的な意見
- 活動の休止や縮小はしたものの、本来の活動の目的に変わりはない
- モチベーションの低下を防ぐために、オンラインを取り入れるなど活動継続の工夫をしてきた
など
最も割合が高いのは「どちらかと言うと、コロナ禍以降は下がっている(28%)」「コロナ禍以降は下がっている(16%)」を合わせた44%です。
次いで多いのは「特に変化はない」の40%でした。
コロナ禍では、多くの団体が活動を休止・縮小していたため、モチベーションが下がっている団体の割合が高くなると想像していましたが、コロナ禍も3年目に入って感染対策そのものが日常化し、それぞれに活動の工夫をされていることもあり、「特に変化はない」団体の割合が高まったと思われます。
モチベーションが上がっている、または特に変化はない理由として、オンラインで対応ができた、活動の幅が広がったという回答がある一方で、下がっている理由には「オンライン化が進んだことで、何気ないコミュニケーションの機会が減ってしまったこと」や「会場に集まる人が減ってしまった」など、オンライン化による変化や戸惑いを感じる声もありました。
このようなことから、オンラインの活用が、モチベーションに影響する一つの要因であると考えられます。
②市民公益活動を支える担い手の変化や傾向
会員の主な年齢層
会員の主な年齢層について、2017年度調査では「60代」の割合が最も高かったのですが、今回は「70代」の割合が37.0%と最も高くなっており、全体的に高齢化が進んでいると言えます。
会員の中心となる年齢層が50代以上というのは、2017年度調査の傾向と変わりありません。
※2017年度調査では、複数回答(3つまで)とし、選択肢「80代以上」は設けていなかった。
【棒グラフ】
2022年度割合(n=184)と2017年度割合(n=150)の比較
※先の%は2022年度、後の%は2017年度
- 20代未満、2.7%、4.7%
- 20代、1.1%、3.3%
- 30代、2.2%、14.0%
- 40代、9.2%、25.3%
- 50代、20.7%、41.3%
- 60代、21.7%、67.3%
- 70代、37.0%、50.7%
- 80代以上、2.7%
- 無回答・無効、2.7%、2.0%
団体運営にあたり、必要とする人材
必要とする人材については、「WEBなどのITに詳しい人材」が2017年度調査に比べて、15.9ポイント増と大幅に伸びています。
コロナ禍でも活動を継続する工夫として、オンラインを活用されるなど、活動の方法や形態に変化があった団体も見受けられます。
「ITに詳しい人材」へのニーズは、オンラインを取り入れる団体が増加した影響ではないかと思われます。
全体としては、「活動の中心となるリーダー」「ビジョン(将来展望)を共有できる人材」の割合が、2017年度調査から引き続き高くなっています。
特別なスキルを持つ人材も重要ですが、活動の意義を理解し、引っ張っていく存在がいなければ、団体の継続そのものに関わることから、このニーズこそ、団体の維持や担い手づくりにおいて、一番注目すべき点であると考えます。
【棒グラフ】
2022年度割合(n=184)と2017年度割合(n=150)の比較
※先の%は2022年度、後の%は2017年度
- 活動の中心となるリーダー、38.0%、42.0%
- ビジョン(将来展望)を共有できる人材、33.2%、32.0%
- 広報や企画が得意な人材、29.9%、31.3%
- 会計に詳しい人材、8.2%、6.7%
- 事務作業ができる人材、15.8%、12.7%
- 法律に詳しい人材、2.2%、3.3%
- 労務に詳しい人材、0.5%、2.0%
- WEBなどのITに詳しい人材、33.2%、17.3%
- 活動に関わる専門的知識を持った人材、21.7%、34.7%
- その他、15.8%、14.0%
- 無回答・無効、8.2%、4.0%
あとがき
市民公益活動は、市民自らが社会課題に気づき、同じ思いを持つ人たちと意見を重ねながら、取り組みを行っていくというプロセスが重要であり、市民自治の観点からもコミュニケーションはその根幹になるものです。
しかし、人との接触・交流機会の低減が続いたことで、このコミュニケーションの機会を、コロナ禍が阻害することになったと言えます。
コミュニケーションの手段は、オンラインの導入など新たな選択肢を得ましたが、同時に対面で行えないことの弊害も調査から読み取ることができました。
市民公益活動は、私たち市民の暮らしを支え、社会を構成するうえで欠かせない要素と言えます。
ラコルタでは、今回の調査を通して、活動を阻害するリスクを明らかにし、その対策を検討する根拠としていきたいと考えます。
THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!
北摂NPO交流会
開催日:2022年12月8日(木)・20日(火)
北摂エリアで活動している団体を対象にした交流会を2回にわたって開催しました。
1回目は、子ども・子育て支援に関わる団体を対象とし、2回目は、高齢者を対象とした活動を行っている団体が対象です。
交流会は、北摂各市に設置されている市民公益活動センターとの協働で取り組みました。
各地での取り組みを共有する中で、市域を越えたネットワークづくりの機会となりました。
写真:計17団体22名の方が参加されました
第4次総計見直しに向けた 市民公益活動団体ワークショップ
開催日:2月13日(月)
「吹田市第4次総合計画」は、令和元年度に策定されましたが、中核市移行やコロナ禍の影響などを踏まえて、改訂作業が進められています。
ワークショップは、市民公益活動に取り組む市民の視点を改訂に取り入れることを目的として、吹田市の企画財政室が主催となり開催しました。
当日は、19団体の方にご参加いただき、コロナ禍で感じる課題や、行政との協働で取り組みたいことなどについて、意見交換をしました。
写真:ラコルタはワークショップの企画づくりに協力しました
テーマカフェ アートが紡ぐ共生社会
開催日:2月14日(火)
鳥居 隆史さん(合同会社らいと代表)をゲストに招き、障がい者アートに関するテーマカフェを開催しました。
生活介護事業などに取り組む一方で、利用者が創った作品をコンテストに出品したり、商品化することで、福祉関係者以外との繋がりを生み出すきっかけになっているとのことでした。
定員以上のお申込みがあり、障がい福祉に携わる方や、障がい者アートに関心のある方、障がい者のご家族など、それぞれの立場から積極的な意見が出されました。
写真:会場では実際の作品も展示いただきました
編集ノート
「解散届けを出した」と連長の報告。
私は阿波踊りの団体に所属していた。
高齢による体力の限界が理由。
後続は叶わなかった。
他団体でも同理由での解散を考えているという声を耳にする。
「自分は元気でやる気があるが、一人ではできない無念だ」
先輩たちの意志を繋いで行く知恵はどこにあるのか。
まだみつからない。(茨木)