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Be Social
私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。
第35回 引間 和行さん
「マーケットを起点に 人をつないで まちを元気に」
竹見台マーケット 会長
1968年開業の「竹見台近隣センター」内にあるマーケットで果物店を経営。
マーケット全体や地域を巻き込む形での活性化に取り組む。
※竹見台近隣センターは、千里ニュータウンの近隣住区ごとに配置されている、日常生活を支えるサービス拠点。
「地域の台所」を守りたい
竹見台マーケットは徒歩圏内で生鮮食品が買える「地域の台所」です。
しかし、店主の高齢化等で空き店舗が増えていました。
そんな中、偶然にも同級生が出店することに。
その彼が活性化の案として、グルメや雑貨の店を呼ぶマルシェの開催や、イベントもできる休憩スペースの設置を提案してくれたんです。
大切なのはバランス
新しい挑戦は大切ですが、変化に戸惑う方もいます。
各店舗の事情や馴染みのお客さまのことも考えないといけません。会長として意見をていねいに聞き、みんなが合意できる形を探りながら進めました。
実際やってみると、若い世代のお客さまが来てくださり、マーケット内の店舗からも新たな企画案が出るようになってきたんです。
課題もありますが、いい方向に進んでいると思います。
広がる 地域との連携
千里たけみ小学校の子ども達がロゴを作ってくれたり、近隣の絵画教室の作品展示等、地域との連携も生まれてきました。
今後はマルシェに地域のお店や団体も参加してもらったり、近接する桃山台近隣センターとの合同イベントを実現できればと考えています。
地域とともに元気なマーケットにしていきたいですね。
ここに注目!ラコルタの特集
吹田の自然を愛する人たち
~シニア世代が活躍する環境保全活動の魅力~
吹田市では、より良い環境を将来世代に引き継ぐため、「吹田市第3次環境基本計画」の基本方針に「市民・事業者・行政がそれぞれの立場での役割を果たすとともに、パートナーシップによる取組を積極的に進めていく」と謳っています。
また、市民の立場からも公園や緑地、河川といった豊かな自然環境の保全に、様々なかたちで活発な活動が展開されています。
本特集では、それらの活動についてお話を伺いました。いずれの活動も、自然と触れ合うことの楽しさや、自然の中で学ぶ生涯学習的な要素が活動の魅力となっているようです。
また、年齢に関係なく、一人ひとりが活動を通じて社会とつながり、人との関係の広がりや、生きがい、役割・出番を持てることから、居場所の一つにもなっていることがわかりました。
塩田 敏治さん(90才)
吹田ヒメボタルの会 代表
活動を通じて大人の付き合いを楽しむ
西山田小学校の裏手にある吹田千里緑地第4区は、ヒメボタルが観測されることで有名です。
同地域に住む塩田さんは、長年に渡りヒメボタルの生態調査や、緑地の環境保護に取り組まれています。
1995年に定年退職をし、吹田に越してきた塩田さんは、偶然手にした吹田自然観察会のチラシを見たのがきっかけで、同会の活動に参加するようになりました。
能勢町出身で、開発される前の千里丘陵も知っていましたが、就職してからは東京勤務。大阪へ帰ってくるたびに、自然が減っていく光景を目の当たりにしていました。
しかし、活動に参加する中で、開発されたまちの中にも、豊かな自然環境が残っていることを知り、この環境を守っていきたいと思うようになりました。
活動の成果もあり、2011年には「ヒメボタル生息地とそのヒメボタル」が、吹田市の天然記念物に指定されました。
塩田さんは「年をとると外に出る機会が少なくなる。会社のOB会や同級生と年に数回会うことはあるが、活動を通して大人の付き合いを楽しんでいる」と語ります。
写真:ヒメボタル生息地の清掃活動
平 軍二さん(86才)
吹田野鳥の会 代表
現役時代から続く野鳥を通じた人間関係
公益財団法人日本野鳥の会の評議員を務め、2022年には環境大臣賞を受賞された平さんは、吹田を拠点に探鳥会や環境保全の活動に取り組まれています。
鳥との出会いは、ご自身の病気がきっかけでした。
20代後半、腎臓の病をわずらった平さんは、1年半の入院生活を送ります。
退院時の医師からのことばは「後10年程経てば腎臓移植か人工腎臓が実現するので、それまで生きているように」。
仕事復帰後は、神社仏閣巡りや運動に励みます。病に対する不安や恐れは拭えません。
まずは歩くことだけに意識しようと思い、東海自然歩道を歩き始めた時、ふと目にとまった野鳥の愛らしさに感動しました。
この出会いがきっかけとなり、1985年に日本野鳥の会に入会。
会の活動が心身の安定に繋がったそうです。
活動の魅力について尋ねると「人との関係」だと答えてくれました。
現役時代から活動していたことで、退職後も人との繋がりが途絶えることなく広がっているとのこと。
奈良県に土地があり、転居を考えたこともあったそうですが、鳥や植物を通して築いてきた人との関係を大事にしたいと思い、吹田の地を終の棲家としました。
野鳥が多く訪れる冬場のシーズンは、毎日のように活動の予定が入っており、充実した日々を過ごしています。
写真:万博探鳥会27周年記念(2012年)の様子
神原 快司さん(77才)
吹田の川をしらべ隊 代表
幼少期の原体験が生きがいに
神原さんは、吹田市内の河川や池の中で生息する水生生物を調査し保護する活動を長年続けています。
きっかけは、定年退職後、所用で訪れた吹田市役所で「まちなか水族館」を見かけたことでした。
故郷、広島の川で遊んでいたことを懐かしく思い出し、ボランティアに応募したのです。
子どもの頃は、食べるために魚を捕まえていたので、水槽に入れて観察することなどなく、魚の名前も2種類ほどしか知らなかったとか。
しかし、活動を通じて、水生生物の保護や、次の世代に繋ぐことの大切さを強く感じたそうです。
その後、糸田川の清掃活動を一緒にしていたガールスカウト大阪府21団のリーダーから「子どもたちに魚のことを教えてほしい」と言われたことや、大学で水生生物の研究をされていた奥山圭一さんとの出会いなどがあり、「吹田の川をしらべ隊」を立ち上げました。
実際に川に入って調査をし、時には外来種の亀を駆除するなど、活動の様子はとてもアクティブです。
神原さんは「希少な魚を捕獲出来た時はとても興奮するし、自然が相手なので、この年齢になっても、学ぶことが次々にあることが活動の魅力だ」とおっしゃっていました。
※まちなか水族館とは、水辺の自然環境保全の大切さを学ぶことを目的として、公共施設に設置している大型水槽。
写真:環境教育と体験活動の様子
大路 享さん(83才)
すいた里山倶楽部 事務担当
定年退職後に培った、大人の「秘密基地」
大路さんが活動に参加するようになったきっかけは、定年退職時に感じた五感や体力の衰えに対する危機感でした。
田舎育ちだったため、自然の中でできることはないかと思っていた時、すいたシニア環境大学に出会い、卒業生が設立した前身団体に参加。以来10年以上、活動を行なっています。
「自然の中に人がお邪魔していると思っているから、守っていかないとね」と語る一方で、活動を続けている理由は「仲間の存在が大きい」とのこと。
多様なメンバーと、ワイワイ話したり、時には意見を戦わせることも、大きな魅力だそうです。
大路さんは道具管理や会報誌の作成など、整備以外の仕事も進んで行なっており、仲間が喜んでくれることもやりがいの1つだとか。
また、竹林整備は自然の中で体を動かすので健康維持にもつながっており、「もし今の活動をやっていなかったら、家に閉じこもっていただろうな~」とおっしゃっていました。
すいた里山倶楽部は、居場所であり、定年後も楽しめる大人の「秘密基地」のような場所になっているそうです。
写真:竹林で育まれる仲間の輪
THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!
出会う、つながる、ワクワクする!
みんなのSUITA DAY 2025
開催日:2025年3月20日(木・祝) 10時~16時
(入場料無料・雨天決行)
会場:まるたすひろば(南千里駅前)、千里ニュータウンプラザ
写真:市民公益活動団体による出展やワークショップ、ステージなど子どもから大人まで楽しめます!
みんなのSUITA DAYは「みんなでつくる!」市民参加型フェス
出展・出演…だけじゃない!
参加団体の取り組み
参加団体のみなさんで「みんなのSUITA DAY」をきっかけに団体のことをもっと知ってもらうためのアイデア出しを行いました。
「広報」と「当日企画」の2チームに分かれて準備を進めており、団体同士の横のつながりも生まれています。
大学生からシニアまで幅広い世代の
市民による取り組み
南千里駅前公共広場(まるたすひろば)を活用して「ワクワクすることをやってみたい」というメンバーを公募。
「作る」「動く」などのキーワードから、市民が楽しめる公共空間の使い方について、話し合いを重ねながら、企画づくりを行っています。
ラコルタサポーターの取り組み
ラコルタの事業に日頃から協力いただいているボランティアの皆さんで、「みんなのSUITA DAY」の装飾づくりを進めています。
手作りのガーランドや顔出しパネルなどで、イベントを盛り上げます。
編集ノート
退職を機に地域で活動の場を見つけ、人とのつながりを築きたいと考え、ラコルタの連続講座『eNカレッジすいた』を受講しました。
そして、これが縁でサポーターとして編集の手伝いをさせてもらうことに。
取材に同行し、編集会議に参加する中で、これまで見えていなかった世界が目の前に広がるのを感じています。
(大西)