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Be Social
私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。
第26回 野口 信也さん
「地域のための郵便局として」
吹田山田駅前郵便局 局長
ラコルタで行っている収集ボランティアチーム「あつめーる」(詳細は4面へ)に賛同し、2016年から使用済み切手・書き損じハガキの収集箱を局内に設置。
小学校で手紙の書き方を教えたり、郵便ポスト周辺の清掃や、献血活動にも取り組んでいる。
使用済み切手の役割
お客さまから収集箱の設置依頼を受けたことがきっかけでした。
切手は郵便局にとって看板商品です。
本来なら、役割を終えた切手は廃棄処分になりますが、それを植林活動に活用していただけることに、有難さを感じました。
また、だんだんと薄れてゆく手紙文化の存続にも繋がれば良いなと思っています。
拡がる輪
収集箱とチラシを置いているだけですが、たくさんの方に協力いただいています。
中には、箱に入らないくらいの量を持って来られる方もいて、こちらも頑張らなければと思いました。
他局にも収集箱を設置してもらえるよう、私の方から声を掛けて、協力の輪が拡がっています。
地域の拠点として
長年、公務員として郵便局に勤めてきた中で、地域のために働くという意識がありました。
民営化された現在でも、その気持ちに変わりはなく、負担に感じることもありません。
これからも地域の人が集まり、情報交換できるような場所でありたいと思っています。
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ここに注目!ラコルタの特集
「やめられない」病(やまい)
~依存症の回復を支え合う~
コロナ禍を機に、アルコールやギャンブル等の依存症に苦しむ人が増加傾向にあることが、行政や民間の調査で徐々に明らかになっています。
依存症とは「特定の物質や行動をやめたくてもやめられない(コントロールできない)状態」であり、不安や孤立感を紛らわせるために陥ってしまうことが多いと言われています。
感染症拡大による社会状況や生活環境の変化が、依存症に苦しむ人を増やしてしまう危険性が高いことは、想像に難くありません。
一方、依存症本人の回復や家族を支える取り組みとして、自助グループの役割が大きいと言われています。
同じ問題を抱える人たちが悩みを打ち明け、経験や情報を分かち合い、相談活動や社会的理解を広める活動が、一人ひとりの自主的な参加によって長年にわたり全国各地で展開されてきました。
今号では、依存症の専門相談機関と自助グループ、それぞれにお話をうかがいました。
「依存症」という事象から見えてくる社会の本質的な課題と、そこに寄り添う市民の活動について、あらためて考えるきっかけになればと思います。
依存症 Q&A
参考:厚生労働省、大阪府ホームページ
Q1.依存症って?
A1.アルコールや薬物、ギャンブルなど、特定の物質や行為を「やめたくても、やめられない」「ほどほどにできない」状態を依存症と言います。
習慣的に依存物質の摂取や依存行為を繰り返していくうちに進行していく病気で、誰もがかかり得る身近な病気です。
Q2.どんな種類がある?
A2.アルコールや違法薬物、処方薬(睡眠薬、抗不安薬、咳止めなど)といった「物質への依存」と、ギャンブル等やインターネット、買い物、万引きなど、行為や過程にのめり込む「プロセスへの依存」などがあります。
2019年には、WHO(世界保健機関)によって、ゲーム依存(ゲーム障害)も病気と認定されました。
Q3.何が問題?
A3.飲酒や薬物使用、ギャンブル等の行為を繰り返すことによって脳の状態が変化し、自分で自分の欲求をコントロールできなくなってしまいます。
だんだん依存対象のことを第一に考えるようになってしまい、社会生活をする上で優先しなければならない色々な活動を選択することができなくなっていくのです。
その結果、自分や家族の健全な社会生活に悪影響を及ぼします。
インタビュー
「依存症を生み出す背景とは」
大阪府こころの健康総合センター
相談支援・依存症対策課
道崎 真知子さん
増える相談
依存症に関する相談の中で、近年増えてきているのがギャンブルに関するものです。
また、インターネットを介したギャンブル(ネット競馬やネット競艇等)にのめり込むケースや、ゲーム依存に関する相談も少しずつ増えています。
相談件数に関しては、コロナの感染が拡大した年も含めて、増加傾向にあります。コロナの影響で減った収入を取り戻そうとギャンブルにのめり込んでしまった、という相談もあります。
病気に至る様々な原因
依存症と聞くと「本人の意思が弱い」「好きでやめられなくなった」というイメージを持つかもしれませんが、自分が抱えるストレスやつらい経験など、マイナスの感情を消すために、一瞬でも忘れたいという思いで、のめり込んでしまう人も多いです。
現在の状況だけでなく、虐待やいじめなど過去の経験が起因することもあり、依存症に至る原因は多岐にわたります。
生きていくには、飲酒やギャンブルなどに頼らざるを得なかった、そんな人もいることをぜひ理解してほしいです。
グラフ:依存症の種類別相談件数(延べ数)
2018年度~2020年度の内訳
※出典:大阪府こころの健康総合センター所報・紀要
■2018年度
ギャンブル(499件)、薬物(219件)、アルコール(67件)、ゲーム(31件)、スマホ・インターネット(12件)
■2019年度
ギャンブル(458件)、薬物(265件)、アルコール(105件)、ゲーム(55件)、スマホ・インターネット(27件)
■2020年度
ギャンブル(583件)、薬物(562件)、アルコール(244件)、ゲーム(91件)、スマホ・インターネット(8件)
依存症の回復を支え合う自助グループの取り組み
依存症は、医療機関での治療や、相談機関の支援などを受けることが必要ですが、回復にあたっては、
自助グループの存在も大きな力となります。
自助グループは、アルコール依存症や薬物依存症、ギャンブル等依存症に悩む本人や家族・友人のためのグループがあります。
仲間がいるから、やめ続けられる
取材協力 吹田市断酒会
土肥さん、真名子さん、小澤さん
吹田市断酒会は1985年に発足し、お酒に悩む人たちが集まる例会を行っています。
自分自身の過去を掘り起こし、家族はどう思っていたのかを振り返って話すことで、「お酒をやめよう」という気持ちを再確認します。
精神的にしんどい時は、ついお酒を飲みたくなることがあります。
友人に話しても「一杯くらい」と言われてしまうと、元通りになってしまうかもしれません。
例会は、そんな本音も全て吐き出し、仲間に受け止めてもらえることができます。
日々忙しくても、断酒を続けるために、例会への出席は最優先にしています。
依存症は「否認の病」とも呼ばれ、問題を軽く捉えたり、依存症であることを認めにくい傾向があります。
また、病に対する偏見から「誰にも知られたくない」「恥ずかしい」と思ってしまい相談につながりにくいことがあります。
依存症のことを正しく理解してもらうために、市民向けのセミナーの開催、電話やメールでの相談対応などの啓発活動にも力を入れながら、お酒をやめたい人の希望になりたいです。
吹田市断酒会連絡先:電話 06-6339-0887
メール dansyusuita@gmail.com
ホームページ https://kz925.sakura.ne.jp/dansyu/
孤立しがちな家族がつながり、自分を取り戻す
取材協力 ギャマノン ホープ京橋グループ
めいさん(仮名)
ギャマノンは、ギャンブルの問題の影響を受けた家族や友人のための自助グループです。
全国的な活動ですが、各地にグループがあり定期的にミーティングを開いています。
私自身は、夫のギャンブル依存に苦しんでいたときに、同じ境遇の方のブログを読んだことがきっかけで参加するようになりました。
それまでは夫の問題を、両親や親しい友人にも相談できずにいましたが、ギャマノンで安心して話せる場所と信頼できる仲間に出会えました。
依存症者の家族は、自分が何とかしなければと思い込みがちですが、それがかえって依存症を悪化させることがあります。
ギャマノンは黙って仲間の話を聴き合うことで、自分自身を客観的に見つめ直すことができる場です。
手軽にギャンブルができる時代になった一方、苦しんでおられるご家族も増えています。
ギャマノンへの参加は資格も会費も不要です。
私たちの活動が必要とする方に届くことを願っています。
一般社団法人ギャマノン日本サービスオフィス:電話 03-6659-4879 (毎週月・木10:00-12:00)
メール info@gam-anon.jp
ホームページ https://www.gam-anon.jp/
相談窓口
様々な助けを借りながら、やめ続けることで、飲酒や薬物使用、ギャンブル等に頼らない生き方をしていくことができます。
身近に、依存症かも?という人がいたら、専門機関へ適切なサポート方法を相談しましょう。
大阪府こころの健康総合センター「依存症相談」
(来所・予約制)
平日9:00~17:45、第2・4土曜9:00~17:30、
電話 06-6691-2818
吹田市保健所(まずはお電話から)
平日9:00~17:30、
電話 06-6339-2227
おおさか依存症 土日ホットライン
毎週土・日曜日13:00~17:00、
電話 0570-061-999
THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!
1面でも紹介しました!
収集ボランティア チーム「あつめーる」
使用済み切手と書き損じハガキを集め、NGO「タンザニア・ポレポレクラブ」に寄付をしています。
寄付をした切手とハガキは、換金後、タンザニアの植林活動に活用されます。
この活動は、ラコルタサポーターの声をきっかけに、寄付先や収集物などの検討を重ね、2016年から本格始動しました。
メンバーは年代も活動歴もそれぞれですが、仕分けをしながら、近況を話し合ったり、様々な情報交換ができるのが楽しみで参加されています。
毎月第2金曜日の10:00から、集まった切手の仕分けを行っています。気軽にご参加ください!
写真:仕分けよりおしゃべりがメイン?
テーマカフェ 地域ねこ活動
開催日:9月25日(日)
生駒市地域ねこ連絡会 をお招きし、活動の現状やポイントについてお話しいただきました。
後半は2グループにわかれ、質疑応答や感想を共有し合いました。
参加者は、地域ねこ活動に取り組んでいる団体や、個人で餌やりをしている方、糞尿の被害を受けている方など。
「活動のお手伝いをしたい」「地域ねこを通じて新しい出会いがあって良かった」などの感想があり、終了後も、ゲストや参加者同士で情報交換をされている姿が印象的でした。
写真:動物愛護週間に開催しました
千里キャンドルロード2022
開催日:11月5日(土)
ラコルタサポーターの方からご提案いただき、千里南公園で開催された「千里キャンドルロード」に出展しました。
ボランティアの方々に絵や色を付けていただいた紙コップに砂とキャンドルを入れ、ラコルタの10周年に合わせた文字を配置しました。
火が灯ると、多くの方が集まり、ラコルタを広く知っていただく機会となりました。片付けも含めて長時間にわたる活動でしたが、ご協力いただいたみなさまに感謝いたします。
写真:のべ19名の方に、ご協力いただきました
編集ノート
収集ボランティア・チーム「あつめーる」を立ち上げから担当しています。
市内19か所の郵便局や病院、お店などに協力いただき、多くの切手が集まるのを見ると、一人ひとりの気持ちが集まるとこんな大きな力になるんだなぁといつも感動します。
収集BOXの設置先や活動メンバーは随時募集中です。
ご連絡お待ちしております♪ (矢野)