ニュースレター(HTML)

ニュースレター第23号(HTML版)2018年6月1日発行

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Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第8回 白崎翔平さん
「作業療法士が考える外出支援」

外出・旅行リハビリ ~かけがえ~
障がい児(者)や高齢者を対象に、外出・旅行の援助を通して、能力拡大や可能性を知る機会を提供している。
現在は、主に温泉リハビリ事業に取り組んでいる。
E-mail:kakegae0126@gmail.com
facebook:www.facebook.com/kakegae/

活動を始めたキッカケ
~患者の姿を見て~

病院で勤めていた頃、身体の麻痺や障がいで、何をするにも諦めてしまう患者さんと向き合ってきました。
例えば、交通事故で手の神経が麻痺した少年は、大好きな漫画を読むことさえ諦めていました。患者さん自身のやりたい気持ちを引き出すために、無謀とも思えるような外出や旅行に挑戦し、改めて自分の可能性に気づくことができるのではないかと考えました。

活動を通して
~旅行業との兼業~

リハビリは病院内で行うことが基本のため、外出許可を得るのはとても大変でした。
そこで、外出支援を行うボランティア団体を立ち上げました。最初は無償で活動することにこだわっていましたが、継続して価値のあるものを提供するために、昨年から旅行業として再スタートしました。

これからについて
~専門性を活かした支援~

主に、温泉でのリハビリに取り組んでいます。
最近は、旅館の周辺でもリハビリができる環境を探し、作業療法士という専門性を活かした企画を考えています。
今後も、障がい者や高齢者の可能性を引き出せるよう挑戦していきたいと思います。

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ここに注目!ラコルタの特集
2017年度 吹田市における市民公益活動団体の実態調査報告
〈結果概要 報告書からの抜粋版〉

今回の調査では、5年前(2012年度)に行った実態調査と比較をしながら、市民公益活動団体の運営に関する課題を分析し、支援方策についてまとめました。
調査:ラコルタ|吹田市立市民公益活動センター

調査の主旨・目的

近年の大きな変化として、地方分権の進展があげられます。
地域の個性や主体性を発揮し、積極的に市民公益活動に取り組む団体は、
「新しい公共」の担い手として、増々、その役割が重要になっています。

一方で、活動する方の高齢化、次世代への引継ぎや新たな人材の確保の困難さ、IT化をはじめとした変化する社会環境への対応など、団体運営における新たな課題も出てきています。

本調査は、ラコルタがより団体のニーズに対応した支援を行っていくための基礎資料として活用していきます。

調査の概要

●調査対象:「市民公益活動団体ガイドブック」掲載の全団体
●調査方法:アンケートをメール便で発送、 郵便受取人払・窓口・メール・WEB回答専用サイトによる回収
●調査時期:2017年11月上旬~2017年12月上旬
●配布数:280通 ●回収数:150通 ●回収率:53.6%

報告書の本編は、以下のHPよりご覧いただけます。
http://suita-koueki.org/180331sonota/

1.メンバーや人材育成に関して

※アンケート結果:報告書p18、20、32、47、48、52参照

●「新規の会員が集まらない」(45.3%)が他の項目より割合が高くなっています。
また、前回の調査との比較やクロス集計分析から、団体の設立時期や活動地域、活動分野等に関係なく共通の大きな課題となっています。

●必要とする人材は、「活動の中心となるリーダー」(42.0%)や
「活動に関わる専門的知識を持った人材」(34.7%)の割合が高い一方で、「会計に詳しい人材」(6.7%)などの事務力に関する人材のニーズは低くなっています。

見えてくる課題
〈活動の担い手や人材の不足〉

●「新規の会員が集まらない」というのが、設立年次や分野、収入に関係なく、全体に共通する最も大きな課題。

●団体によっては、高齢化が進み、次世代の担い手やリーダーを引き継げていない。
また、事務作業や会計を引き受ける人が少なく、団体の継続そのものに関わる深刻な事態を生んでいる。

●次世代の担い手となる現役世代は忙しく、時間やお金がかかるなどの理由で活動に参加せず、緩やかに関わりたいというニーズも多い。

ラコルタの支援方策

次世代の活動を担う現役世代の育成支援を図るとともに、それぞれの団体に求められるリーダー像や必要な担い手確保の支援を図ります。

また、団体に入らず緩やかに関わりたいといった個人のニーズへの対応も併せて検討します。
●eNカレッジすいたの充実  ●担い手の確保における個別相談
●個人の活動を支援する新たな事業の検討

2.広報に関して

※アンケート結果:報告書p14、18、29、47、58参照

●「効果的な広報・PR方法がわからない」(12.7%)の割合が比較的高く、特にクロス集計と照らし合せてみると設立年次の新しい団体や法人化をしている団体が、課題としてあげています。

●団体の活動については、「紹介している」(69.3%)と高く、特に前回の調査との比較では、14.4ポイント伸びています。一方で、「収支計算書もしくは活動計算書」などの会計・事務資料の情報公開は、2012年度調査と比べて割合は下がっています。

見えてくる課題
〈活動を上手く伝える戦略的な広報が苦手〉

●ちらしのデザイン面の工夫やSNSの活用など、情報ツールを上手く使いこなせず、活動内容を外部に上手く伝えられない。

●事業や会計などの運営に関する年次報告書の情報公開が進んでおらず、NPO本来のミッションの実現や事業展開のための広報活動となっていない。

●活動趣旨に賛同する担い手や、支援者、寄付集めなど、事業を展開していく上で効果的に拡大していくための戦略的な広報に取り組めていない。

ラコルタの支援方策

公益的な活動を行うNPOとして、社会や地域へ情報発信をしていくことが大切です。
外部に伝えるということを主眼においた広報支援やマーケティングの観点も踏まえた広報支援を図ります。

●既存の広報講座の充実   ●広報における個別相談
●NPOのマーケティングに関する新たな講座の検討

3.運営面に関して

※アンケート結果:報告書p9、16、17、21、27参照

●主な活動拠点を「吹田市立市民公益活動センター」(29.3%)としているのは、前回の調査と比較すると16.3ポイント増と大きく伸びています。

●収入・支出が「50万円未満」が6割以上を占め、資金調達が会費頼みの団体が多くなっています。

●研修などの人材育成の仕組みを持っている団体は少なく、「活動を通じての経験や知識の蓄積」(60.0%)の割合が高くなっています。

見えてくる課題
〈運営基盤が弱い〉

●人材面では特に運営マネジメントに関する意識が低く、マネジメントのできる人材の確保や人材育成の仕組みが弱い。

●団体事務所の確保や活動に要する資源も十分でなく、収入基盤も会費頼みで、50万円以下の脆弱な団体が多い。

●人材や場所の確保のためにも多様な収入基盤を持つことが必要。

ラコルタの支援方策

各種講座による運営マネジメントのできる人材の育成や、個別相談による各団体の事情にあったコーディネートを図ります。

また、運営をサポートする拠点としてラコルタのコンサルティング機能の強化を図ります。

●事務力強化など運営に関する講座の充実  ●運営における個別相談
●運営に関する新たな事業の検討
(アドバイザー派遣、ファンドレイジング講習など)

4.団体間の連携や協働に関して

※アンケート結果:報告書p15、30参照

●「吹田市立市民公益活動センター」(21.3%)は、前回の調査と比較すると14.8ポイント増と、大きく伸びています。

●その他、前回の調査との比較では、地域と関わりの深い「公民館」は4.2ポイント減少し、「地縁団体(自治会など)」の伸びは1.7ポイントと微増になっています。

見えてくる課題
〈さらなる協働と市民自治の推進〉

●地域課題の解決には、地縁団体や企業・事業所とのネットワークを創っていくことなど、分野を超えた連携が必要。
●行政との対等な関係を基に、多様な市民の参加、関わり方を担保し、自律的な活動であるかなど、市民自治推進のための啓発活動にも取り組むことが大切。
●多様な主体が連携・協力し、参加と協働のまちづくりを一層進めながら、市民が主役となるまちづくりの将来像の検討をすることが大切。

ラコルタの支援方策

民公益活動団体との関わりが薄い地縁組織や企業・事業者との連携への支援を図ります。
また、市民自治においては、意識を高める学びの場や啓発の機会創出を図ります。

●分野を超えた団体交流会の充実    ●公民館連携の充実
●新たな交流会の検討(自治会、企業・事業者連携に関するもの)
●市民自治の体系的な学びの場の検討(これまでの歴史や意義、これからの展望)

5.新たな社会環境に関して

※アンケート結果:報告書p6、19、22、26参照

●「ホームページを作成・活用したい」(22.0%)に加えて、「パソコンの調子が悪くなった時、応急で直せる詳しい人がいない」(18.7%)など、ITに関するニーズは様々となっています。

●「場・スペースの提供」(16.0%)を活動内容にあげているのは、前回の調査との比較をみると8.3ポイント増と、割合が大きく伸びている項目となっています。

見えてくる課題
〈社会環境の変化への対応〉

●IT化については、パソコン操作が苦手、多様なITツールに対応できていない。さらに一歩進んでITを活用した課題解決の方策の検討など、ITを取り巻く多様なニーズに対応していくことが必要。

●防災については、様々な分野で社会サービスを提供している市民公益活動団体の力を災害時に活かし、防災のネットワークを形成していくことが大切。

●居場所づくりは、少子・高齢化の進行や単身世帯の増加、子どもの貧困率の高さなど、社会環境の変化に応じたニーズへの対応が必要。

ラコルタの支援方策

IT化や防災など、社会の環境変化に柔軟に対応していくことが必要です。
また、様々な居場所づくりについては、関係性、コミュニケーション、対人援助、人権擁護などの視点に配慮したコーディネートを図ります。

●IT相談会の充実   ●シビックテックの推進と関係部署との連携
●吹田市社会福祉協議会の防災ネットワークとの連携
●居場所づくりに関する新たな事業の検討(アドバイザー派遣など)
 

 

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

市民ライター入門講座

開催日:2月18日(日)~3月18日(日)
ラコルタでは、市民が主体的に地域や社会と関わり、執筆を通して情報発信していく人を“市民ライター”と呼んでいます。
入門講座には、そういった活動に関心のある方や、自身で取り組んでいる活動のPRに役立てたいというような方が参加されました。

講師は、神戸新聞社の元記者で、現在はフリーライターとして活動されている山口裕史さんをお招きしました。
参加者から提出された課題の添削を行いながら、伝えるための文章力を磨いていきました。
写真:申込が殺到し関心の高い講座となりました

南千里かえっこバザール

開催日:3月25日(日)
今年で6回目の開催となった南千里かえっこバザールは、ボランティアのメンバーとラコルタで企画・運営をしており、約290人の来場者と、約90人の学生ボランティアや出展者が参加しました。

おもちゃの交換コーナーがある2階のメインフロアには、竹で作った直径4m程のスタードームを設置しました。
また、千里ニュータウンプラザ内の各施設や、市民公益活動団体の協力により、15種類の体験コーナーが設けられ、子どもたちと交流しました。
写真:千里ニュータウンプラザの一大イベント!

〈テーマカフェ〉
SDGs(エスディージーズ)
カードゲーム体験会

開催日:4月22日(日)

SDGs(持続可能な開発目標)とは、国連加盟国が世界が抱える問題の解決をめざし、17の目標と169のターゲットから構成されているものです。
一般社団法人ソーシャルギルドの山本佳史さんの進行のもと、カードゲームでSDGsを体験しました。

世界をより良くするために、参加者で協力し合いながらプレイした結果…目標は無事達成!
私たちの行動が、社会とつながっていること、そして1人ではできなくても、チームで取り組むことで、目指す未来を実現できることを実感しました。
写真:10~70代までの多世代で白熱!

編集ノート

NPO法の制定・施行から20周年を迎える今年、あらためて、「市民社会」や「市民活動」に関する議論が高まっています。
わたしたちラコルタスタッフも、吹田の市民公益活動団体のみなさんと一緒に、わくわく、楽しみながら、地域の未来をつくっていきたいと思います。(入江)

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