ニュースレター(HTML)

ニュースレター第24号(HTML版)2018年9月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第9回 岡本昭子さん
「千里ニュータウンをみんなが誇れるまちに」

千里キャンドルロードプロジェクト
前代表

千里ニュータウンの人口と同じ9万個のキャンドルを灯すイベントを開催する団体。
千里ニュータウンまちびらき50年事業を契機とし、翌年からは市民が自主的に運営を担っている。
今年は10/27(土)開催。
千里キャンドルロード

街並みが崩れていく

長年暮らしてきた千里ニュータウンの建替えが進み、きれいだった街並みが崩れていくように感じました。
当時住んでいたテラスハウス(2階建ての連棟式住宅)も、建築物として貴重だったのですが、取り壊されることになりました。
行政も住民も、他人任せのようにみえて嫌でしたが、怒ってばかりいても精神上良くないし、マイナスをプラスに変えていこうと思いました。

繋がりを活かして

今でも公園が減り、子どもたちの遊び場が少なくなってきていることに疑問を感じたりしています。
しかし、活動を通じて地域や行政の人たちとの繋がりができたので、解決していけることもあるんじゃないかなと思っています。

自分たちでつくる

キャンドルの活動に関わりはじめたのは、市報で「千里ニュータウンまちびらき50年事業」のボランティア募集を見たのがキッカケです。
立ち上げから参加してきたので、自分たちでつくってきたという思いがあり、やりがいに繋がっています。
一方で、点灯や片付けなど、メンバー以外の人も、イベントづくりに参加できるよう心掛けています。

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ここに注目!ラコルタの特集
SDGs(エスディージーズ)
~地域からめざす持続可能な社会~

貧困や紛争・気候変動など世界にある様々な問題は、経済・環境および社会に大きな影響を及ぼしています。

2015年9月、国際連合では、このような課題の解決に向けて「SDGs(持続可能な開発目標: Sustainable Development Goals)(以下、SDGs)」を全会一致で採択しました。
発展途上国と先進国が協働して課題を解決することで、誰も取り残さない持続可能な世界を2030年までに実現しようとしています。

日本でも、2016年5月には内閣総理大臣を本部長とする「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」が設置されました。
自治体や企業もその動きに呼応し、SDGs達成に向けた取り組みを始めていますが、私たちの身近なところでは、既に市民が主体となった様々な市民公益活動が展開されています。
本号では、SDGsを念頭に、自分にできること、そして地域でできることについて、改めて考えます。

SDGsエスディージーズは生活スタイル見直しの羅針盤!

関西大学社会学部 社会システムデザイン専攻
教授  草郷 孝好

SDGsは、世界的な環境問題の悪化に歯止めをかけ、人類と地球環境が共存共栄できる社会発展を目指し、すべての人々の生活の質を高めていく17項目の開発目標(※)を掲げています。
このSDGsの前身は、2000年に国連で決議されたMDGs(Millennium Development Goals :ミレニアム開発目標)です。
MDGsは、発展途上国の人々の生活改善に主眼を置いたものでしたが、SDGsでは、気候変動問題に地球規模で対応するため、先進国や発展途上国といった垣根を超えた連携を求めています。

例えば、ある国が産業開発により、経済成長を遂げても、それが大気や海洋などの環境汚染を引き起こすのであれば、その成長は持続的発展とはみなされないのです。
SDGsでは、持続可能な社会づくりに向け、各国ができること、国家間で協力できることを見つけ出し、創意工夫を重ねて、生活の改善と環境保全を実現しようとしています。

このように書くと、SDGsの取り組みは、政府が動くレベルの話で、自分には直接関係ないと思われるかもしれません。
しかし政府の力だけで、SDGsは達成できません。
産業開発の主な担い手は民間企業であり、生活の担い手は、他でもない、私たち市民です。
普段の生活の中で、水を大切にしよう、困っている人を孤立させないようにしよう、フードロスを無くしていこう、というようにSDGsの描く社会を意識し、行動していくことが必要なのです。

SDGsの策定は、従来の自分の手に入るお金の量で測る豊かさから一歩踏み出し、人とのつながりや自然環境を大切にしていくことで得られる豊かな生き方を実現するために、生活スタイルを進化させるチャンスなのです。
「SDGsって大事なことだよね、こんなこと始めてみようかな」を家庭で、地域で、職場で、共有し、取り組みを始めていくことが国連SDGsの目指す社会創りなのです。

(※)世界を変えるための17の目標
1.貧困をなくそう 2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 
6.安全な水とトイレを世界中に 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

写真:草郷 孝好さん
プロフィール:ウィスコンシン大学PhD(開発学)。
持続的発展に関する実践的研究を展開、著書に「市民自治の育て方」ほか。

関西市民による「KANSAI-SDGs市民アジェンダづくり」がスタート!

NPO/NGOの活動は、SDGsが掲げられる前からSDGsの目標と同じビジョンを持って活動をしてきました。
市民アジェンダづくりは、市民社会として、その事を多くの市民・行政・企業・教育現場に伝え、SDGsの理解を促し、その達成を目指しています。
関心のある方ならどなたでも参加できます。

KANSAI-SDGs市民アジェンダ事務局
E-mail:knc@kansaingo.net(関西NGO協議会内:)

持続可能なまちづくりにつながる吹田市内の取り組み

私たちが暮らす吹田市でも、個人や家庭だけでなく「地域」での課題解決をめざした市民公益活動がたくさん行われています。
今回は、多様な市民を支えるため、新たな仕組みや循環を創り出すことで、
より良いまちづくりをめざす取り組みを紹介します。

“子育て”を支える
NPO法人 ワーキング・マム

「SDGsの取り組み」
5.ジェンダー平等を実現しよう 
8.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう

子どもがいる家庭にとって、急な仕事が入り保育園のお迎えに間に合わない時、体調不良で子どもの世話ができない時など、短時間でも、誰かの手を借りたいと思う場面がたくさんあります。

ワーキング・マムは「民間ファミリーサポート」として、同じ地域の住民たちによって、子育て家庭の日常の困りごとをサポートしています。
祖父母宅のように、気軽に頼れる先が地域にあれば、日々の子育ての負担も軽減できると考えています。

最近は、共働きが増えるだけでなく、働き方も多様化してきていますが、子育てをする環境はまだまだ追いついていません。
子育てを家庭だけでなく、地域全体で支えるための仕組みづくりに挑戦しています。

“子どもの自立”を支える
児童養護施設 大阪西本願寺常照園

「SDGsの取り組み」
1.貧困をなくそう 
10.人や国の不平等をなくそう
16.平和と公正をすべての人に

様々な理由により保護者の適切な養育を受けることができない子どもが暮らす常照園では、退所を迎える子どもの「その後の人生」を支える取り組みを、積極的に実施しています。

例えば、退所前に短期間のひとり暮らしをして、自炊や戸締りといった日常生活を経験する機会をつくる。
あるいは退所後、ちょっとした日用品に手紙を添えて送り、気にかけていると伝えることで、何かあったときSOSを出せる関係性を保つ、などです。

それまでの集団生活から離れ、新しい環境の中で寂しさや生きづらさを抱える子どもたちは少なくありません。
地元の企業や弁護士等の専門家、NPOと連携し、退所後もつながり続けることで、彼らの成長と自立を見守っています。

“高齢化社会”を支える
特定非営利活動法人 ニッポン・アクティブライフ・クラブ
NALK(ナルク)吹田友遊悠

「SDGsの取り組み」
3.すべての人に健康と福祉を 
5.ジェンダー平等を実現しよう
11.住み続けられるまちづくりを

ナルクでは、会員同士がボランティアで助け合う「時間預託」という独自の制度を活用しています。
会員がボランティア活動を行った時間を、点数預託しておき、自分や家族が助けを必要とする際に、貯めた点数で、サービスを受けることができます。

ボランティアの依頼内容は、高齢者・障がい者の病院への付き添いや自宅の清掃など、日常の困りごとから、余暇を一緒に楽しむことまで、多岐に渡ります。

ボランティア活動だけでなく、会員間の交流も活発に行われており、サービスの提供者・依頼者という関係を超え、地域での支え合いの輪を広げています。

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

行政との協働
シビックテックの可能性
~吹田市長を交えて「特別てい談」~

開催日:5月26日(土)
吹田市長の後藤圭二さん、一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事の関治之さん、大阪大学産業科学研究所准教授の古崎晃司さんをお招きし、「シビックテック」の可能性について語っていただきました。

ITを活用した協働の取り組みを進めていく上では、公共データのオープン化や、ITに関して専門性のある行政職員が必要との意見が出ていました。
他にも、市民と行政とのパートナーシップに基づいた協働の築き方について、意見交換がなされました。
写真:68名の参加者が集まりました

知らないと損する 広報の基礎
~情報の受け手について考えよう!~

開催日:7月7日(土)
ボランティアグループや自治会など、15名の方にご参加いただき、広報について学ぶワークショップを開催しました。

前半は、伝えたい相手によって、広報の仕方が変わってくることを学びました。
後半では、一方的な情報発信ではなく、社会の中でより良い関係を築くために何ができるのかを考えました。
参加者からは「PRの本質が理解でき、人との関係づくりが根本なのだと再認識しました」
「具体的なアイデアが色々あって参考になりました」などの感想をいただきました。

たくさんのご参加ありがとう!
「しぎかい見学会」

開催日:7月27日(金)
市議会議員・議会事務局に協力いただき、議員の仕事・議会の仕組みについて学びました。
本会議場などを見学した後、今の自分にできること、大人・議員になってやってみたいことを、グループに分かれて考えました。

大阪北部地震の体験からか「大きな地震があっても死者が出ないようにしたい」等の意見もあり、防災への関心の高さがうかがえました。
参加者からは「議員と自分の考えが同じで嬉しかった。
議員や議会に興味を持った」
「議員は市民の暮らしがよくなるよう頑張っていると分かったので、自分も今できることをしたい」等の感想がありました。
写真:自分がやってみたいことを発表!
写真:34名の小学生が参加しました!

編集ノート

子育てや高齢化社会を支える取り組みは多様で、どれをとってもアイデアに満ちていて、魅力的なものばかり。
大切なことは、他人と比較せず、今やっていることに自信をもって進めていくことで、どれだけ自分らしく楽しく生きていけるのか、ということだと思っています。SDGsを知って、一層奮起しています。
(森戸)
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