ニュースレター(HTML)

ニュースレター第30号(HTML版)2020年3月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第15回 福田 耕さん
「吹田の歴史を知り未来に繋げる」

吹田市制施行80周年プロジェクト会議 公募委員
吹田市出身・在住。80 周年を機に、市民として何か協力したいと思い、委員に応募。
市民参加部会のメンバーとして、イベントの企画や歴史の調査を担当。
吹田市制施行80周年特設サイト

戦後史との出会い

高校生の頃、日本近現代史に興味を持ちました。朝鮮戦争や吹田操車場からの軍需物資輸送に反対して一九五二年に起こった「吹田事件」を知り、跡地を廻って背景などを調べたのが、吹田に関心を持ったきっかけです。大学に進学してからも、吹田の戦後史を調べ、当時の関係者などに聞き取りをさせてもらいました。

吹田の良さとは

周年事業に携わり、吹田の良さをどのように伝えていけば良いか、考えるようになりました。「住むなら吹田」と言われるくらい良い環境が整っていますが、そこに至るまでに、様々な市民の思いや、それに応える行政の姿があったと思います。単に良い面を発信するのではなく、過去に生きてきた人たちの歩みを見せることで、まちへの愛着が生まれるのではないでしょうか。

まちの発展へ

誰もが自由に意見を出せて、反映されていくのが良いまちの条件だと思っています。ただ、一人の気づきや意見がまちづくりに反映されるためには、みんなで話し合う機会を持ったり、行政とのパイプ役になれるコミュニティが必要だと感じています。地域の繋がりが希薄化する中で、そういったコミュニティが生まれるきっかけを、吹田のまちでつくっていきたいと思います。

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ここに注目!ラコルタの特集
障がい者スポーツを通して考える 誰もが暮らしやすい社会

2020年7~9月、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)が開催されます。
大会のボランティア活動には、20万件を超える応募があり、スポーツへの参加・観戦を含め、様々な形でスポーツを楽しんだり、関わる機会になっています。しかしながら、障がい者スポーツにおいては、この限りではありません。
自ら情報の取得が困難であったり、活動の場に行くまでのアクセスの確保が必要になるなど、条件の有無によって、スポーツへの参加が左右されてしまい、ハード・ソフト両面から、とてもバリアフリーとは言えない現状があります。
このようなことから、本特集では東京2020大会を4か月後に控えた今、障がい者のスポーツを取り巻く現状を伝え、誰もがスポーツを楽しめる社会をめざして、どのようなことが必要なのか、皆さんと考えたいと思います。

知ってる?障がい者スポーツのいま

国際大会である「パラリンピック」の原点は、イギリスのある病院にて、第二次世界大戦で負傷した兵士たちのリハビリとしてアーチェリー大会を開催したことに始まります。当初は社会復帰に向けての「福祉」の観点で振興が始まりましたが、日本でも厚生労働省から文部科学省(スポーツ庁)に管轄が移管されるなど、現在では「競技」として注目を集めています。
日本では、2011年に「スポーツ基本法」が施行、2012年・2017年に「スポーツ基本計画」が策定され、「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができる環境を整備すること」をめざしています。特に、ボランティアのサポートなしではスポーツが成り立たない障がい者スポーツにこそ、その環境整備は急がれます。
特に大会のようなイベントと違って、日常的なトレーニング等をサポートするボランティア活動には、関心が集まりにくいだけでなく、継続がしにくい状況があります。そのことから、家族や特別支援学校の教員、障がい者団体のスタッフなど、限られた範囲の関係者で運営されていることが多く、慢性的な人材不足を生んでいます。これはアスリートだけでなく、身近な地域でのスポーツにおいても同様で、障がい者が日常的に、そして気軽にスポーツを楽しめる環境はまだ十分ではないのです。

スペシャルオリンピックスの活動
努力した人すべてが勝利者

パラリンピックは、主に身体障がい者を対象とした大会であるのに対し、知的障がい者を対象とした「スペシャルオリンピックス」という大会があります。パラリンピックは世界一を決めるチャンピオンシップ形式ですが、スペシャルオリンピックスは、知的障がい者(=アスリート)に日常的なスポーツトレーニングとその成果発表の場である競技会などを年間通じて実施しています。その競技会も、チャンピオンシップのみを競うのではなく「努力した人すべてが勝利者」と考えていることが特徴です。
アスリートたちは、自分たちだけでトレーニング環境をつくることが難しいため、ボランティアが事務や運営の役割を担っています。また、可能な限りアスリート一人ひとりの課題にあわせてトレーニングを行うことを心がけていますが、ボランティア不足により、十分な対応ができていません。
スペシャルオリンピックス日本・大阪事務局長の井上幹一さんは「アスリートは日々のトレーニングに参加し、様々な人との関わりを通して成長していき、ボランティアは知的障がい者のことを知り、理解する機会になっています」と話します。この活動を通して、知的障がい者の自立や社会参加を応援することだけでなく、社会の中で知的障がい者に対する理解を深め、誰もが暮らしやすい社会をつくることもこの活動の大きな目標です。

写真:2019年スペシャルオリンピックス夏季ワールドゲームアブダビ開会式選手入場の様子
認定特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本・大阪

障がい者スポーツの総合国際競技大会の種類

障がい者スポーツは、パラリンピック以外にも国際的に様々な大会が行われています。
成り立ち・参加条件・運営など、それぞれに特徴があります。
(参考:スポーツ庁HP「デフリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスについて」)

    名称:デフリンピック

      運営:国際ろう者スポーツ委員会
      対象:身体障がい(聴覚障がい)
      特徴:スタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫する以外は、オリンピックと同じルール障がい当事者が運営している。障がい当事者が運営している。
    名称:パラリンピック

      運営:国際パラリンピック委員会
      対象:身体障がい(肢体不、切断、脳性麻痺、視覚 等)
      特徴:競技ごとに障がいの種類や程度に応じてクラス分けをし、クラスごとにメダルを授与する。
    名称:スペシャルオリンピックス

      運営:スペシャルオリンピックス
      対象:知的障がい
      特徴:知的障がい者に、様々なスポーツトレーニングと、その成果の発表の場を提供。記録ではなく、日常的・継続的なスポーツ活動を通じて、自己を成長させることを重視。

吹田での取り組み紹介

陸上のカーリング!ボッチャ

ボッチャは、1984年からパラリンピックの正式競技として行われており、前大会では日本チームが銀メダルを獲得しました。重度の脳性まひ者や同程度の重度障がいが四肢にある人のために考案されたヨーロッパ生まれのスポーツですが、日本では障がいの程度に関係なく参加できる大会も開催されています。
使用する用具は、白・赤・青のボールと、投げられない人が使用する勾配具のみです。的となる白いボールに、いかに近づけるかを競います。カーリングと似たルールですが、的を弾いて移動させることもでき、様々な戦術を駆使して行う頭脳戦と言われています。

吹田で広がるボッチャの輪

吹田ボッチャの会は、障害者支援交流センター「あいほうぷ吹田」の利用者と職員によって2013年に発足しました。「あいほうぷ吹田」は、重度障がい者の自立と社会参加の支援を目的とした生活介護事業や、市民相互の交流の場として、施設の一般開放も行っています。重度障がい者が通う施設として、市民と交流を図るために何ができるのか考えた結果、取り入れたのがボッチャでした。
現在では、西山田小学校を活動拠点に加え、練習会の開催や、小学校や高齢者が集まるサロンなどで体験会を実施し、ボッチャの普及に取り組んでいます。
会長の清水博之さんは、ボッチャの選手としても活躍しています。「大会出場に向けての目標があることで、ボッチャを始めてから元気が出た」と笑顔で語ってくれました。また、事務局長で、理学療法士でもある松田忠司さんは、「リハビリとしての効果や、地域での取り組みとしてボッチャがもたらす影響について、発信していきたい」とのことでした。

写真:日本選手権予選会で投球する清水会長(写真中央)
吹田ボッチャの会

行政の取り組みについて

吹田市では、障がい者がスポーツ施設を利用する際、体育館は使用料の5割減額、市民プールは使用料免除の施策をとっています(いずれも、介助者の使用料は免除)。
また、知的障がい者のための軽スポーツ教室、身体障がい者卓球教室など、スポーツを楽しむきっかけとなる取り組みも行っています。その他、毎年春に万博記念競技場で、大阪府主催の「大阪府 障がい者スポーツ大会」、秋には吹田市主催による、障がい者と家族に向けた「障がい者体育祭」などが開催されています。

あとがき

スポーツを通して障がい者と交流することで、障がい者や障がい者スポーツに対して肯定的なイメージを持つようになることが明らかになっています。そして障がい者と直接的に関係を持つ機会が多いほど、その変化が促進されるそうです。(藤田紀昭「障害者スポーツ,パラリンピックおよび障害者に対する意識に関する研究」同志社スポーツ健康科学,2016 より)
障がいのある人とない人が出会える「接点」を増やす上で、スポーツの持つ力は非常に大きいです。ご紹介したような取り組みを発展させていくことが、共生社会をつくる一歩になるのではないでしょうか。

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

テーマカフェ「ステキな公共空間の使い方」

開催日:12月15日(日)
最近よく耳にする公共空間の魅力づくり「プレイスメイキング」をキーワードに、公園や広場などの公共空間の使い方を市民の視点から考えました。周辺市の事例紹介の後、南千里駅前の“まるたす広場”を題材にして意見交換をし、「カマクラを作りたい」「紙芝居コーナー」「鉄道模型を走らせる」など面白いアイデアも出ました。人の数だけ発想があり、市民と行政が協働で公共空間の使い方を考える良いきっかけとなりました。
写真:市民の交流が生まれる場にしよう!

団体交流会

開催日:12月20日(金)
普段ラコルタをご利用いただいている団体を対象に交流会を開催し、15団体18名の方にご参加いただきました。当日は、吹田の資源を活かして地域課題を解決するリソースゲームを体験しながら、団体同士の交流を深めました。
参加者からは、「ゲームも楽しかったし、いろんな人にお会い出来た」「参加型の交流会だったので お話だけの自己紹介よりリラックスして頭を使って良かった」などの感想をいただきました。
写真:お茶菓子を食べながら盛り上がりました。

新人役員のための地域自治組織入門講座

開催日:2月8日(土)
自治会などの新人役員や、これから役員を担う方に向けて、組織運営について学ぶ講座を開催しました。講座では、役員決めや会議の進行で生じる問題を事例として取り上げ、参加者に対応策を検討してもらうグループワークを行いました。参加者からは「分かりやすく説明していただき、良い機会になりました」「基本のおさらいができて良かった」などの感想をいただきました。なお、講座で使用したテキスト「地域自治組織運営トリセツ」は、ラコルタのWEBサイトからも閲覧することが可能です。
写真:7名の方が参加されました

編集ノート

「令和」に改元する全ての儀式が終わり、名実ともに新しい時代の幕開けです。喜ばしいことに、〈ニュースレター〉は今号で30号を迎え、カラー版になって15回目。トップページの〈Be Social〉にご登場いただいた方々は、各界で活躍の方々ばかりです。自分らしく生きる視点を紹介されています。自分づくりは自分で作り上げるもの。これからも自分に磨きをかけて、頑張っていきます!(森戸)

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