ニュースレター(HTML)

ニュースレター第33号(HTML版)2020年12月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第18回 上田(うえた)淳子さん
「地域の中で生きがいとつながりを創る」

鹿児島生まれ箕面育ち。
就職を機に吹田市に移住し、子育てをしながら手芸や着付けなどの特技を活かして吹三地区公民館で活動。
2019年に吹田市文化功労者表彰を受ける。
現在は、民生・児童委員や、吹田市認知症カフェ交流会の役員も務める。

地域での子育てを通して

子育てをし始めた時、保健師さんから育児教室を紹介してもらいました。
ママ友ができ、子育ての悩みについて共感し合える関係を築けたのです。
ママ友の紹介で入ったサッカー教室では、子ども同士がプレーを通じて成長していく姿を目の当たりにしました。
子どもの成長を見守ることが、私の生きがいにもなりました。
子育てを終えた今でも、小学校のボランティア活動に参加しながら、地域の子どもと関わり続けています。

コロナ禍の影響

現在では、高齢者の生きがいづくりや、認知症予防の活動にも取り組み、昨年からは民生・児童委員も務めることになりました。
しかし、コロナ禍の影響で、書道を教えに通っていた高齢者施設は、外部からの立ち入りができない状況です。
入所者の方とは、文通を通して交流し続けていますが、地域での繋がりが途絶えてしまわないか心配です。

地域のつなぎ手として

私自身は、育児教室のおかげで孤立することなく、子育てをすることができました。
しかし、色んな活動に関わっていると、地域の中で誰ともつながっていない人がいるのだとわかりました。
これからは、つなぎ手側として、自分の力を発揮していきたいです。

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ここに注目!ラコルタの特集
寄付から生まれる新しいつながり
~非常時における市民社会の役割 part3~

新型コロナウィルス感染拡大は、一向に収まる様子が見えない中で間もなく1年を迎えます。
コロナ禍の中、多くの市民公益活動団体やNPO法人が、運営や活動、事業に大きな影響を受けています。
市民公益活動とは、市民自身による自主的・自発的な社会貢献活動です。
社会の様々な課題に市民が当事者として参加する仕組みであり、市民社会を構築するうえで欠かせないものです。
しかしながら、感染拡大防止の観点から、人と人が集まることや、活動への制限を受け、その役割を果たすことが難しい状況にあります。
このような中、市民公益活動と並び、市民参加促進の両輪といわれている寄付への注目が集まっています。
市民参加には、ボランティアとして活動に参加するだけでなく、金銭や物品を団体や活動に寄付するといった方法があります。
北摂においても、6市の中間支援団体の協働による「北摂NPO・ソーシャルビジネス(SB)支援のための緊急補助金プロジェクト」が、立ち上がりました。
本号では、上記のプロジェクトの紹介とともに、市民社会構築の原動力である市民公益活動と寄付について考えながら、地域社会における多様な市民参加の形とつながりを考えます。

北摂NPO・SB支援のための
緊急補助金プロジェクトとは?

プロジェクト代表 須貝昭子さんに
お話しをお聞きしました。

当プロジェクトのきっかけは、「定額給付金を地域に役立てたい」という市民からの相談が私たち中間支援団体に寄せられたことです。
それならば、コロナ禍で影響を受けている市民公益活動団体への支援を通じて、地域に役立ててもらう寄付プロジェクトを作り、北摂で市民活動センターを運営する、6つの中間支援団体(下記参照)が協働し、市域を越えて取り組むことになりました。
市民公益活動の停滞は、団体が取り組む社会課題への対応不足やサービス低下も非常に懸念されています。
そのために、緊急支援として公募方式でなく、NPOを日常的に支援する経験を活かした推薦方式をとり、コロナ禍での影響が最も大きいと思われる「高齢者・介護」と「子ども・貧困」の分野に絞りました。
また、寄付の贈呈だけでなく、団体と一緒に6カ月間、コロナ禍での活動継続について話し合い、とりわけ今後の資金調達の方法を考えることにしました。
当プロジェクトが、寄付を通じて市民と市民公益活動の繋がりを生み、社会参加の多様性に気づく一助になればと考えています。
コロナ禍での団体支援で、何が正解なのか、正直わからないですが、こうやって6市にある中間支援団体が知恵を出し合いながら、進めていることに意義を感じています。補助金事業の新しい形として、全国に発信できたらと思います。

〈プロジェクトに関わる6つの中間支援団体〉
●池田市公益活動促進協議会
●特定非営利活動法人 いばらき市民活動推進ネット
●特定非営利活動法人 市民活動フォーラムみのお
●NPO法人 市民ネットすいた
●高槻市市民公益活動サポートセンター管理運営委員会
●特定非営利活動法人 とよなかESDネットワーク

〈プロジェクトの連絡先〉
NPO法人 市民ネットすいた
TEL:06-6875-7459 E-mail:mail@cnsuita.org

〈プロジェクトや寄付の詳細〉
北摂NPO・SB支援のための緊急補助金プロジェクト特設サイトにて 

交付の第一弾として、下記8団体(順不同)に
一律10万円が贈呈されました

・EST(池田市)
・つどいの場ゆずりは(吹田市)
・こらぼれチップス(吹田市)
・NPO法人女性サポート大阪(全国(主に近畿))
・高槻つばめ学習会(高槻市)
・野田小朝ごはんの会(豊中市)
・シアターワーク豊中そらまめ(豊中市)
・チーム銀河鉄道(箕面市)

交付先の事例をご紹介します

団体名:こらぼれチップス 
活動場所:吹田市
「子どもの“声”を受け止める」

子育て広場を運営する、こらぼれチップスは、親子が一緒に遊んで過ごせる場だけでなく、子育てに行き詰まり、しんどくなったときには、大人だけでも来られる居場所をめざしています。
コロナ禍では、緊急事態宣言の発令前から、来室者や開室時間を限定し、閉室となってからは電話とメールでの相談のみ受け付けるなど、運営方法に試行錯誤を重ねました。
現在は開室していますが、引き続き時間や人数の制限をしています。
また、チャイルドライン(18歳までの子どもがかける子ども専用電話。
否定や批判をせず、子どもの声を聴き、こころを受け止める全国各地で行われている活動。)にも、この約半年でコロナ禍における様々な不安の声が寄せられました。
その内容は、卒業・入学行事の縮小や突然の休校への戸惑い、友人と遊べない寂しさなどです。
このチャイルドラインの存在を子どもたちに知ってもらうため、フリーダイヤルを記載したカードを配布していますが、残念ながら資金面で配布状況には地域差があります。
今回の寄付金は、北摂でカードの配布ができていない地域の周知に使う予定です。親子の不安な気持ちに寄り添う取り組みは、寄付によって北摂全域に広がろうとしています。
写真:チャイルドラインすいたのチラシ
写真:フリーダイヤルを記載したカード
写真:交付金の贈呈

〈こらぼれチップスの連絡先〉
TEL:06-6382-0290
E-mail:corabore8080@yahoo.co.jp

団体名:NPO法人 女性サポート大阪 
活動場所:全国(主に近畿)
「深刻化するDV問題、市民の理解が支えに」

 
NPO法人女性サポート大阪は、24時間対応の電話相談、避難所(シェルター)での緊急一時保護など、夫やパートナーから暴力を受けた女性や子どもの支援を長年にわたり続けてきました。
主な活動エリアは北摂ですが、相談は全国から寄せられ、特にコロナ禍によって「倍増している」と代表の松下千代さんは言います。
相談者のメンタルケアなど非常にきめ細やかな対応が求められる活動は、同時に感染のリスクとも隣り合わせでもあります。
緊急事態宣言が発令された4月には、全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談は1万3千件を超え、前年比の3割増となりました。
自宅で過ごす時間が長くなったことに加え、生活不安やストレスからDV(ドメスティックバイオレンス)の増加・深刻化が懸念され、政府も支援体制の強化に乗り出しています。
DVの問題は、「被害者側にも落ち度がある」という偏見が社会に根強く残っています。
寄付という形で市民の理解が広がることが、暴力からの回復をめざす女性や子どもたちにとって大きな支えになるでしょう。
写真:交付金の贈呈
(詳細はNPO法人 女性サポート大阪で検索できます。)

団体名:EST(Endbite Support Team) 最期の一口まで支えるチーム 
活動場所:池田市・伊丹市
「最期まで口から栄養を摂れるようにサポート」

「食べる」ことは、人間の基本的な欲求です。
「食べる」から「飲み込む」までの一連の流れを、摂食嚥下(えんげ)といいます。高齢化などの理由から、その機能が果たせないことを摂食嚥下障害といいます。
特に入院した高齢者は、栄養摂取の方法が、「口からの食事」から「点滴などの経管摂取」に変わることで、嚥下関連の筋力が低下となり、栄養障害、運動障害等を起こしやすいのです。
ESTは、これらの問題を改善するため、主に医療・介護関係者を対象に、口から食べる事を支援する知識や技術が学べるセミナー、栄養に関する勉強会などを行っています。
ただ、集まることがコロナの感染源になるリスクを負うため、セミナーなどは開催できなくなりました。
また、市民にも摂食嚥下障害は予防・対策できることがあまり知られていないという問題があります。
今回の寄付贈呈をきっかけに、今後は市民向けのセミナーも開催し、日常生活の中での予防を促し、最期まで口から食べることの喜びを伝えていただきたいと思います。
写真:嚥下調整食の調理実習
写真:交付金の贈呈

〈ESTの連絡先〉
TEL:072-778-0670(辻歯科医院)
E-mail:endbite2019@gmail.com

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

オンラインでつながろう! GoToラコルタ

開催日:8月22日(土)~10月17日(土)全5回
ビデオ会議を活用して、利用者の皆さんと職員が交流するオンラインイベントを開催しました。
各回ごとに進行役の職員が入れ替わりながら、コロナ禍における活動状況などを報告し合いました。
ビデオ会議に初めて参加する方もおられ、慣れない環境の中でしたが、お互いの顔を見ながら交流できる貴重な時間となりました。
写真:参加者の皆さんと記念撮影

ご協力ありがとうございました!
マスクおすそわけプロジェクト

コロナ禍により、マスクなど衛生用品の準備は欠かせません。
それは市民公益活動の現場でも同じです。
そこで、マスクの寄付を募り、必要とする市民公益活動団体へ届ける取り組みを、ラコルタサポーターの発案により実施しました。
約1か月の募集期間であったにも関わらず、大人用から子ども用まで、約600枚のマスクが集まりました。
これらのマスクは、高齢者や子どもたちの生活・交流を中心とした活動で活用していただきます。

写真:不織布・布製など様々な種類が集まりました!

わたしの暮らしを豊かにするパブリックライフ
ポストコロナ時代のつながり革命

開催日:10月18日(日)
講師の武田重明さん(大阪府立大学准教授)から、ポストコロナ時代のつながり方に関する20のキーワードを軸に、公共空間と市民との関わりについてお話を伺いました。
誰もが利用できる公共空間(公園・広場など)は、各自が思い思いに過ごせる場であるとともに、他者やまちとの関わりが生まれる場でもあります。
コロナ禍を経て、パブリックライフ(都市生活)における市民のニーズの変化と共に、人を中心とした多様なまちづくりについて意見交換しました。

写真:講演後は参加者を交えながら交流しました

編集ノート

温かいお鍋が美味しい時期を迎えました。
コロナ禍で迎える初めての年末年始は、帰省、忘年会、新年会など、日本の風物詩も様変わりするでしょうね。
そんな今年を表す恒例の漢字一文字ですが、見慣れた「粛」となるのか…私はお正月のお屠蘇に因んで「蘇」押しです。
世界中が力・命を取りもどす願いと未来志向の選択です。(柳瀨)

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