ニュースレター(HTML)

ニュースレター第34号(HTML版)2021年3月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第19回 中山麻衣子さん
「NPOで働き、暮らせる人を増やしたい!」

認定特定非営利活動法人
NPO会計税務専門家ネットワーク
 理事

吹田市千里丘在住。
会社員時代に学んだ経理や財務の知識を活かし、会計ボランティアとして活動を始める。
現在は、税理士としてNPO法人の運営支援を行っている。

ボランティア活動から税務のプロへ

阪神・淡路大震災の頃からボランティア活動に参加していました。
2009年に夫の転勤先である名古屋で水害が起こり、愛知・名古屋水害ボランティア本部が立ち上がりました。
その時これまでの職歴を見込まれ、本部の経理を頼まれたのが私にとって転機でした。
その後、会計ボランティアとして活動をするようになり、税理士の資格も取得しました。

会計の意義

会計を判り易く伝えるための手引き「NPO法人会計基準」の改訂に関わりました。
NPO法人の会計は、法律で情報公開が義務づけられていますが、財源には会費や寄付が含まれることから、市民や社会への説明責任が重要となります。
現在は、会計・税務に関する様々な悩みにお答えしています。

私の活動ミッション

NPO法人の活動は自己実現だけではありません。
子育てとの両立やセカンドキャリアなど、雇用の場として幅広い可能性も持っています。
私は会計・税務だけでなく事業計画全般について相談にのることで、団体に寄り添う伴走型で関っています。
健全な運営基盤を作ることで、NPO法人で働く人が適正な報酬を得て生活できるようにしていきたいです。

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ここに注目!ラコルタの特集
コロナ禍で見えてきた市民公益活動 つながるチカラ!
~非常時における市民社会の役割 part4~

2020年4月の緊急事態宣言から、間もなく1年を迎えようとしています。
それにより、多様な形で市民の暮らしを支えてきた市民公益活動団体は、会議や交流、イベントが行えないだけでなく、利用者・受益者への影響に対して、支援の継続とコロナ対策とのはざまでジレンマを抱えています。

ラコルタでは、昨年6月~8月にかけて、市民公益活動団体を対象に新型コロナウイルスによる困難や変化についてヒアリングとアンケートで実態調査を行いました。
また、ニュースレターでは「非常時における市民社会の役割」を連載し、様々な考え方や指針、実践事例などを紹介し、この状況を共に乗り越えていける道を継続的に探ってきました。

市民公益活動は人々が社会で安心して暮らすために欠かせない存在です。
こんな時だからこそ「人のつながり」「参加」について、ふりかえりや問い直しを行い、新たなニーズや課題に応じた試みも必要です。

今号では、日頃のつながりを活かし、工夫をしながら前に進もうとしている4団体の取り組みを紹介し、様々な課題に柔軟に対応できる市民公益活動の可能性について考えます。

コロナ禍による活動への影響

昨年7月下旬から8月にかけてラコルタで実施した「新型コロナウイルス感染症による市民公益活動団体への影響に係るアンケート調査」によると、「コロナの影響があり、今も続いている」とする回答が85%を超え、影響の大きさが伺えました。(図1.円グラフ参照)

【図1.活動や運営における影響】
・影響があり、現在も続いている 85.1%
・影響があったが今はない 8.8%
・影響は全くなく、今後もないと思う 2.8%
・今はないが、今後、影響が出ると思う 1.7%
・その他 1.1%
・無回答、無効 0.6%

影響のあった項目については、ほとんどの団体が「事業や催し、会議を中止・延期した」と回答した他、「収入が減少」や「会員やボランティアのやる気が下がった」など、今後の団体の運営や活動継続に不安を感じている団体が多くなっていました。(図2.棒グラフ参照)

【図2.影響が出たと思われる項目(複数回答あり)】
・事業や催しを中止、延期した 70.6%
・会議を中止・延期した 50.0%
・収入が減少した 24.1%
・総会を中止・延期した 23.5%
・会員やボランティアのやる気が下がった 10.6%
・広報誌や会報誌発行を中止・延期した 7.1%
・衛生用品(マスク、消毒液)が不足した 4.7%
・ボランティアの確保が難しかった 4.7%
・支出が増えた 3.5%
・情報を収集するのに苦労した 2.9%
・コピー・印刷ができなかった 2.4%
・活動のための食材や資材が不足した 0.0%

また、今後の活動については、「今の活動を継続」と回答する団体が約30%ある一方で、「今の活動を変更又は縮小して活動」と回答する団体が約30%、「コロナ禍の収束を見て活動を再開」が約20%を占めていました。

ラコルタの取り組み

市民公益活動の拠点施設であるラコルタも、コロナ禍による影響を受けました。
感染拡大防止のため、休館や事業の中止を余儀なくされましたが、上記のアンケート調査などから団体のニーズ把握に努めました。
特に、オンライン化に対するニーズが高まっていたことから、(図3.円グラフ参照)「オンライン会議体験会」の実施や、会議室利用時にオンライン配信ができる環境整備を図ってきました。

【図3.オンラインの利用について】
・利用はせず今後も利用しない 30.9%
・利用はしなかったが興味はある 26.0%
・コロナ禍をきっかけに利用 24.3%
・元々 利用していた 11.6%
・無回答・無効 3.3%
・その他 3.9%

また、団体の活動現場に出向いてオンライン会議の出前講座も実施しました。
今後は、自治会などの地縁団体へのニーズ調査も行いながら、コロナ禍における地域活動のサポートにもつなげていきたいと考えています。

※図1・図2・図3とも【調査対象】吹田市市民公益活動団体ガイドブック掲載団体(273団体)
【回収数】181団体(回収率:66.3%) 

※4面では、年表形式でラコルタの取り組みを掲載しています。

活動を止めない『工夫』

アンケート結果からも団体への影響が大きかったことがわかりましたが、市民公益活動においても社会環境の変化に対応していくことが必要です。
従来の活動を見直し、工夫を凝らしながら活動を続けている事例をご紹介します。

●寄付を地域に役立てる●
ハッピー食堂あいのわ

「たくさんの出会いや、つながりを持てるような場所があったら」という思いから、3世代が集う食堂を片山地域で開催。
現在は感染予防のため食堂を中止していますが、寄付された食材を無料配布することで、地域のつながりを維持しています。 

●音楽療法のDVDを制作●
特定非営利活動法人吹田市音楽療法推進会
おんがく・さ~くる・コスモス

高齢者や障がい者施設に出向き、レクリエーション活動を行っていましたが、コロナにより施設への訪問が制限されました。
無観客で収録したDVDを施設や在宅の高齢者、障がい者に届けることで、コロナ禍での楽しみや口腔ケアを途切れさせない支援を行っています。

●歌体操をオンラインで開催●
心ふれあいSA吹田

ボランティア先である高齢者施設での活動が中止となり、定例で行っていた歌体操の練習もできなくなりました。
そこで、昨年5月よりオンラインでの練習会を開始。高齢のメンバーが中心ですが、延べ1000人が参加しました。
今ではオンライン会議も定着しています。

●無観客でキャンドルイベントを実施●
千里キャンドルロードプロジェクト

「千里ニュータウンで子ども達の心に残る風物詩を創る」をコンセプトに、毎年開催していたキャンドルイベント。
昨年は閉園後の万博記念公園で、大阪府の協力のもと、無観客で開催しました。
当日の様子はドローンで撮影し、後日に動画で配信しました。

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THEピックアップ
コロナ禍でのラコルタの取り組みを紹介!

感染拡大防止のため、開催を見合わせた事業も多くありましたが、コロナ禍によって新たに取り組んだ事業もありました。
今号では、年表形式でラコルタにおけるコロナ禍の一年を振り返ります。

[2020年2月]・2月下旬に感染拡大防止のため、対面を伴う主催事業中止が決定

[3月]・3月6日~5月31日まで臨時休館となる
休館中も相談事業は継続

[4月]・新型コロナウイルス感染症に伴う団体向け支援情報をHPに掲載

[5月]・市民公益活動団体へのヒアリング調査を実施

[6月]・条件付きで6月2日から開館を再開
・ニュースレターにて、特集「非常時における市民社会の役割」を掲載開始

[7月]・「ネット回線」及び「オンライン事業セット」の貸し出しを開始
・「オンライン会議 体験会」を開催(写真・右)
・市民公益活動団体へのアンケート調査を実施

[8月]・「オンラインでつながろう!GoToラコルタ」開催
・マスクおすそわけプロジェクトを実施

[9月]・対面を伴う主催事業を再開

[10月]・講演会「ポストコロナ時代のつながり革命」を開催(写真・右)
・「ピンチはチャンス?!コロナ禍における市民公益活動のすすめかた」を開催

[11月]・「みんなのSUITA DAY」プレ実行委員会を開催
これからのイベントのあり方を検討

[12月]・12月8日~2021年1月末まで臨時休館となる
2回目の緊急事態宣言

[2021年1月]・2月7日まで臨時休館が延長となる

[2月]3月7日まで臨時休館が延長となる

ラコルタからのお知らせ

2021年4月から、会議室のご利用がWEB申込みになります!

4月1日より「吹田市公共施設予約・照会システム(以下、システム)」の運用を開始します。
利用申込みにあたっては、事前に「利用者登録」の手続きを、ラコルタの窓口にて行ってください。
運用開始後は、パソコンやスマートフォンからシステムにログインして、利用申込みをしていただくことになります。

【従来の申込み方法】
(2021年3月31日まで適用)

①窓口or電話にて空き状況を確認
②窓口にて申請書の記入
③窓口にて使用料の納付

【変更後の申込み方法】
(2021年4月1月より適用)

①システムで空き状況を確認
②システムで利用申込み
③窓口にて使用料の納付

抽選申込みの方法について

従来は、月始めに窓口にて抽選会を実施していましたが、2021年4月1日以降はシステムによる自動抽選となります。
4月1日の抽選に申込まれる方(市民公益活動団体⇒7月利用分、一般⇒6月利用分)は、2021年3月25日~3月31日までの間に、システムで抽選申込みを行ってください。

■システムのWEBサイトは(こちら

ご不明な点があればラコルタまでお問い合わせください。

編集ノート

リタイアを機に、昨年から、ラコルタの活動に参加させていただきました。
これまでの生活で、関わりの少なかった「地域」とのつながりを見つめ直すためでした。
コロナの影響で、飲み会や遠くへの旅行が制限されていますが、反面、地元を再発見する機会と時間が増えたようです。(山本)

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