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Be Social
私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。
第25回 大嶋隆士さん
「プログラミングの楽しさを子どもたちと」
CoderDojo吹田 代表者
システム・ソフトウェア開発に従事。
CoderDojo(コーダー道場)は子どもたちの主体的な学びを大切にした非営利のプログラミングクラブ。
アイルランド発祥で世界各地に広まっている。
吹田の開催予定は下記参照。
始めたきっかけ
プログラマーの勉強会で仲良くなった方が、道場の活動を教えてくれ、大阪市内での活動に参加していました。
後に、南吹田で仕事場を構えたことや、自分の子どもも一緒に参加しやすい環境を作りたいと思い、2019年に吹田での活動を立ち上げました。
一番の楽しみ
道場では、自分が作ったプログラムをみんなに遊んでもらったり、意見を出し合う発表の時間があります。
子どもたちは、新しく出来るようになったことを素直に喜んでくれるので、忘れかけていたプログラミングの楽しさを思い出させてくれます。
好きだからできる
ボランティア活動という意識はあまりなく、私と同じようにプログラミングが好きな子どもたちと集まる場を作っている感覚です。
プログラミング業界では、知識や技術をオープンに共有し合うコミュニティがあり、道場の活動もそういった文化が背景にあります。
これからも、できる範囲で無理なく続けていきたいです。
※プログラミングとは
コンピューターにさせる処理を順番に書き出し、作業を指示すること。
2020年度から小学校で必修化された。
ここに注目!ラコルタの特集
ラコルタ開設10周年記念特別企画
THE 座談会
ミレニアル世代※と語る“ソーシャルな生き方”
※ミレニアム世代とは、概ね1980年~90年代半ば頃に生まれた世代。
デジタルネイティブ、個人主義、共感と多様性といった特徴がいわれており、バブル経済の記憶がない世代でもある。
2012年9月に、ラコルタが開設され、今年で10年が経ちました。
この10年間で、市民公益活動を取り巻く状況も大きく変化していますが、特にコロナ禍による影響が大きかったと言えます。
内閣官房によると、コミュニティの希薄化や、孤独・孤立といった社会課題が、コロナ禍によって顕在化・深刻化していると指摘されています。
また、昨年実施された「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」によると、他の世代と比べて30歳代の孤独感が強い傾向にあるということも見えてきました。
市民公益活動は、社会課題の解決を目的に掲げていますが、それだけでなく、そこに集う人たちは、家庭や職場とも違う他者との繋がりを求めているようにも思います。
一方で、市民公益活動は無償の奉仕活動や、定年後の社会参加といった側面で捉えられることが多く、若い世代の参加が少ないのが実情です。
本特集では、若い世代が捉えている市民公益活動の価値や、社会との繋がりについて考えるため、ラコルタと関わりのあるお三方にお話しを伺いました。
ふれあい交流サロン 南正雀まるっと。
代表 茂上さつきさん
2019年に団体を発足。
吹田市の補助金を活用しながら多世代が集える居場所づくりに取り組む。
健康体操教室の講師としても活躍中。
特定非営利活動法人 ここ
理事長 三科元明さん
2008年に団体を発足。
不登校やひきこもり等の子どもを対象としたフリースクールを3校運営している。趣味はサーフィン。
社会福祉法人 吹田市社会福祉協議会
CSW 山田春香さん
民間企業に勤めた後、2014年より現職。
CSW(コミュニティソーシャルワーカー)として、生活相談や地区福祉委員会の活動支援に取り組む。
吹田市立市民公益活動センターラコルタ
センター長 春貴いさお
ラコルタ開設当初はボランティアとして関わる。
2014年に入職し、今年4月より現職。
プライベートでは、PTAや自治会役員も務める。
活動のきっかけ
春貴:生まれ育った小学校区に被差別部落があり、人権問題を身近に感じていました。
高校卒業後に、印刷会社に就職したのですが、社会問題に関わる仕事に就きたいと思い、転職したのがきっかけです。
茂上:デイサービスの仕事をしていた時に、高齢者の方が集まる地域の場へ出向いて、営業活動をしていました。
介護保険のサービスを提供する立場でしたが、皆さんが活き活きとされている姿を見ていると、気軽に集える場が必要なのだと実感しました。
ただ、私が住む地域は喫茶店も少なく、気軽に集える場がなかったことから、活動をはじめました。
三科:ミュージシャンになりたくて路上ライブをしていた時に、不登校の子と出会い、行政がやっている不登校支援のボランティアを始めました。
そこで仲良くなった子どもたちとの繋がりを継続させたいと思い、団体を立ち上げました。
山田:小学生の頃に参加した清掃活動が地域福祉との初めての出会いでした。
友達と喋りながらごみを拾うだけでカレーやノートが貰えるなら、と思って参加したのですが、自分たちのまちを自分たちで住み良くしていく地域の姿を見て、自分もそういったことに関わりたいなと思ったのがきっかけです。
団体を立ち上げるのはすごいこと?
山田:三科さんと茂上さんは、ご自身で団体を立ち上げられていて、すごいなと思うのですが、活動の原動力は何なのでしょうか?
三科:高校に行っても中退してしまう子どもたちを見て「何とかせなあかんな」っていうのは建前です。
本当は卒業してからも子どもたちと遊びたいと思ったのが、きっかけです。だから、僕の為でしかなくて、すごくはないです。
茂上:私も全く同じで、周りの人に「ようやるなぁ偉いな」って言われるんですよね。
だけど、まさしく自分のためというか、自分のやりたいことに賛同してくれる仲間がいるという感じです。
無償の活動なので、楽しさが勝つくらいの気持ちでやらないと、継続できないと思っています。
イマドキの繋がり方
春貴:コロナ禍で人と繋がる場が持ちづらかったり、デジタル化などで繋がり方が変わってきたように思います。
また、身近なコミュニティである自治会やPTAに属さない人も年々増えていますよね。
三科:フリースクールでは、子どもたちを応援してくれる人がたくさんいるということを感じてもらいたいので、自治会に加入し、地域の人たちとも関わる機会をつくっています。
ただ、地域ぐるみで応援してくれるところもあれば、不登校に対する偏見を感じるところもありますが。
茂上:いろんな事情で2年前に自治会を退会したのですが、働いているお母さんが増えたり、習い事で子どもも忙しくなっているので、時代にあったやり方に変えていく必要があると感じています。
例えば、回覧板をLINEでまわすとか小さいことなのですが。
でも、回覧板を直接まわすことで、顔を見てお喋りすることが大事だということもあるので、両輪でやっていけたら良いですね。
山田:今は情報もたくさん得られるし、便利なものもたくさんあるので「自分の力だけで生きていける」って思っている人が多いのかなと感じます。
私は、災害支援の担当もしているのですが、災害時は、リアルでの繋がりが必要なのかなと思います。
三科:オンラインでのコミュニケーションは、電話よりもハードルが低くて便利なツールだと思っています。
昨夜もフリースクールの卒業生とスタッフを交えて、音声で会話しながら一緒にゲームをしてました。
ゲームをしながら「大学ちゃんと行けてるの?」みたいな話もできるし、こちらに来れなくても繋がることが出来ています。
一方で、自分の子育てのことを振り返ると、当時通っていた子育てサロンでの繋がりに救われた部分があったので、自分が必要としている場所とかツールを自由に選べるのが良いのだろうなって思います。
ソーシャルな生き方とは
春貴:ラコルタでは、地域や社会と主体的に関わることを「ソーシャルな生き方」と表現しているのですが、皆さんにとっての「ソーシャルな生き方」とはどんなイメージですか?
茂上:私自身はSNSとかすごく苦手でアナログなんですけど、やっぱり人って会わないとあかんなって思うんですよね。
コロナの第一波では、人と会う機会も減り、家だけの自分になってしまったのですが、それがすごく生きづらかったというか、つまらないなって感じたんですよね。
デジタル化も進んでいくと思いますが、私自身のソーシャルな生き方は、対面で会ってなんぼだと思っています。
山田:吹田市社会福祉協議会でよく言っているのが「誰もが“必要とされること”を必要としている」という言葉です。
自治会活動や、子育てサロンなど、自分の存在価値をどこかに見い出すことがソーシャルな生き方なのかなと思っていて、それがきっと人によっても世代によっても違うでしょうし、参加者や担い手になるお手伝いができたらと思います。
三科:ソーシャルって言葉はあんまりピンとはこないんですけど、どんな価値観や文化であれ、そもそも色んな人が混在しているのが社会ですよね。
何が良いとか悪いとかじゃなく、個々人が受け入れられる、認められる社会をつくっていきたいです。
あとがき
市民公益活動は、敷居が高いように見えるかもしれませんが、座談会でのお話しを聞いていると「社会のために」という志だけで動いているのではなく、自分自身のニーズが原動力の1つになっているようです。
仕事や子育てなど、日々の生活に追われていると、人間関係が煩わしく思うこともあるかもしれません。
しかし、誰かに「必要とされる・受け入れられる・認められる」といった価値は、人との繋がりの中で生み出されるものです。
福祉・教育・環境など、市民公益活動の目的は多種多様ですが、人々が社会の中で繋がる貴重な場であることを再認識しました。(春貴)
THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!
テーマカフェ
吹田のまちなみ100年紀行
開催日:6月26日(日)
明治から昭和にかけての写真と、現在の写真を見比べながら、吹田市のまちなみの変化について語り合いました。
参加者からは、「懐かしかった」「吹田に住んでいても知らないことがたくさんあった」「吹田への愛着が増しました」という声があがっていました。
昔からのまちなみの良さを知り、自分たちの住むまちの魅力を再発見して頂く良い機会になったのではと思います。
写真:19名の方にご参加いただきました!
地域諸団体のための会計講座
開催日:6月29日(水)
自治会をはじめとする15団体が集まり、会計講座を開催しました。
年度初めということもあってか、新しく会計担当者になられた方のご参加もみられました。
質疑応答の時間では、仮払いの取り扱いや、書類の保存期間に関する質問などがあがりましたが、講師の片岡誠さん(NPO法人市民ネットすいた専務理事)からは、いずれの場合も「団体内部でルールを明文化しておくことが大事である」とアドバイスがありました。
写真:収支報告や財産目録の書き方などを学びました
テーマカフェ
ヤングケアラー
開催日:7月30日(土)
特定非営利活動法人ふうせんの会 をお招きし、ヤングケアラーの概説と当事者による経験談をお聞きしました。
ケア経験はそれぞれ異なるため、当事者一人ひとりの思いを知り、必要な支援を考えることが大切だと学びました。
参加者からは「社会の何を変えていくべきかを考える時間になった」「何ができるか分からないが、お話を聞くことならできるかと思った」といった感想がありました。
写真:まずは知ることから始めませんか?
編集ノート
4月から新しくスタッフになりました芝です。
ラコルタは9月で開設10周年ですが、私が中学校の頃からあると思うと歴史を感じます。
働き始めて数カ月ですが、社会課題や今まであまり関わりが無かった吹田市のことなど新たにたくさん学んでいます。
まだまだ知らないことも多いですが、よろしくお願いします。(芝)