ニュースレター(HTML)

ニュースレター第44号(HTML版)2023年9月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
また、ニュースレターに掲載されているイベント情報は、本サイトの最新情報からご確認ください。

Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第29回 沖 幸代さん
「組織で応援 地域の活動」

桃山台自治団体協議会 役員

宮崎県出身。
小学6年生の時に家族で大阪市内へ転居。
結婚を機に20代から吹田市に在住。
現在は「認知症サポート 桃山お陽さまネット」を立ち上げ、地域で認知症カフェの運営や民生委員を担う。
絵本の読み聞かせブックスタートのひろば「りんごの木」の代表も務める。

楽しんで地域と関わる

子育てが落ち着いた頃、読み聞かせボランティアをはじめたことがきっかけで、地域で活動する機会が増えました。
今では、スケジュール帳が地域の予定でびっしりです。
こんなに忙しい60代になるとは思っていませんでしたが、忙しさをストレスと感じないのは、地域のいろいろな人と出会い、話すことが楽しいからだと思います。

地域自治団体の役割

企画を考えるのが好きなので、協議会では夏祭りなどの行事も任されています。
しかし、協議会は行事をこなすだけの役割で良いのか、少しでも地域の身近な問題に取り組めないかと思うようになり、役員の皆さんに相談しました。
まずは認知症の声かけ訓練からはじめ、最近では、地域猫の活動をしている人たちをバックアップしています。

皆でつくる住みやすい地域

地域をよくするために活動している人を支えることや、住民の意識を変えることも、協議会という組織だからこそできると思います。
役員の皆さんも、地域の課題に常に目を向けられ、協力して活動されています。
これからも、個人や組織も含めて、「桃山台」というチームで、皆が住みやすい地域にしていきたいです。

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ここに注目!ラコルタの特集

孤独・孤立を防ぐ 居場所のあり方

コロナ禍以降、孤独・孤立の問題が顕在化しているといわれており、来年4月1日には「孤独・孤立対策推進法」が施行されることになりました。
また、内閣官房が定めた「孤独・孤立対策の重点計画」においては、孤独・孤立の予防や早期対応の観点から、日常生活環境でのつながりや居場所の確保が重要であるとされており、その担い手として市民の自主的な活動やボランティア活動に期待が寄せられています。
吹田市内をみると、子ども食堂や高齢者を対象としたサロンなどが増えている傾向にあり、目的や対象は異なりますが、居場所づくりの取り組みが広がっているように思います。
しかし、「居場所」といっても定義として限定されたものはなく、むしろ捉え方が様々あることから、本号では、場づくりに必要な要素や、社会の中でどのような「居場所」が必要とされているのかを考えてみたいと思います。

トークイベント
「居場所のレシピ~人と人とがつながる場~」より

7月12日(水)に開催したトークイベントのゲスト、大阪ガスネットワーク㈱都市魅力研究室の山納洋(やまのう ひろし)さんは、地域活性化に関わる調査をはじめ、カフェ空間のシェア活動や、トークサロン、まち観察などの企画を公私共にプロデュースされてきました。
また、2016年に出版された「つながるカフェ:コミュニティの〈場〉をつくる方法」では、各地で取り組まれているコミュニティカフェの取材を通して、人が出会い、つながる場が、どのようにして実現するのかをまとめられています。
トークイベントでは、書籍に掲載されている事例を紹介いただきながら、場づくりのポイントについてお話しいただきました。

山納さんに聞きました!
人がつながる場づくりのポイント

●ルールの設定

クレームを恐れて窮屈なルールをつくってしまうことは、人が自由に出会う機会までも損なわれてしまいます。
揉め事があれば、いろんな立場の人と一緒に民主的にルールをつくっていくことが必要です。

●ツールの活用

コの字カウンターのある酒場に行くと、店主やお客さん同士で、自然と会話が生まれています。
例えば、空き地で焚き火を起こしたり、公園でコーヒーをふるまったりすることで、場づくりを行う事例もあります。

●ロールの存在

六甲山のリュックサックマーケットは、リュックがあれば誰でも店主になれます。
役割がないと、居心地が悪くなってしまいますが、「店主」という役割があることで、その場にいても良い理由を設定します。

後半は、「私にとっての居場所とは?」というテーマで、参加者の全員から意見を出していただきました。
「一人で居て居心地の良い場所」 「公園や自然の中」 といった意見から、「成長や視野を広げられる場所」 「人と話したり、ゆるくつながれる場所」 など、人によって捉えている居場所のイメージやニーズが多様にあるということが見えてきました。
最近は、公共的な課題解決を目的にした場づくりが増えており、そういった取り組みには、行政からの補助金が出ることもあります。
しかし、課題解決のための義務感が強くなりすぎたり、活動内容が制限されてしまうといったことが懸念されます。
一方で、同じような趣味や考え方の人たちがつながるような場であっても、誰かに与えられた場所ではなく、「自分事」として場に関わる機会があれば、市民自治への意識を育むだけでなく、それぞれに応じた居場所になるというお話でした。

イベントづくりを通じて育む
バリアフリーなコミュニティ

ハロー!!福祉は、障がいのあるなしに関わらず楽しめる音楽イベントを企画し、新しい出会いの場を作ることを目的に、2021年より吹田市内で活動している市民公益活動団体です。
友人同士ではじめた活動ですが、回を重ねるごとに仲間が増えており、障がいのある人も企画づくりから参加しています。

活動のテーマは「福祉」を掲げていますが、堅苦しいものではなく、誰もが安心して自由に表現できる場づくりを心掛けていると代表の白川珠美さんは言います。
例えば、意思表示をするのが難しい方がいた場合は、コミニュケーションがとりやすい方法をみんなで工夫し、障がいがあっても参加しやすい環境をつくっています。
また、小学生の子どもたちが参加したり、アイデアを出す機会をつくることにより、賑やかでアットホームな雰囲気が自然と生まれています。

会議はオンラインで行うことも多いのですが、イベントをつくっていく過程そのものが、みんなの居場所にもなっています。

<ラコルタより>
“居場所づくり”というと、常設された場所を構えるイメージがありますが、活動に参加することが居場所にもなるようです。

子どもたちに親しまれる
地域の本屋さん

1968年に創業した笹部書店(豊中市新千里西町)は、「輪・和・笑」をコンセプトに、本だけではなく、パンや駄菓子の販売、イートインコーナーの設置、しおり作りや読み聞かせイベントなどが開かれており、地域の人たちが集まる場となっています。

二代目店主の笹部勝彦さんは、子どもたちが気軽に入れるように「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」と声をかけます。
親しみやすい関係を築いたことで、利用していた子どもが成人した後も、結婚式に呼んでくれたり、赤ちゃんを見せに来てくれることがあるそうです。

ある日、いつもお菓子を買いに来ていた子どもが、夜中に店の前で座っていたことがありました。
話を聞くと、お母さんと喧嘩して家出をしてきたとのこと。この子にとっては、単なる本屋ではなく、何かがあった時に頼りたい場所になっていたのかもしれません。

笹部さんは「どうやってお店に足を運んでもらうかと考えながら、いろんなことをやっていますが、みんなの記憶に残るお店になりたい」と話してくれました。

<ラコルタより>
商品を購入したりサービスを受けることだけが、お店の価値ではなく、人とのつながりを生み出す役割も担っています。

ラコルタでも“居場所づくり”をテーマにした講座を開催します!
ソーシャルな“居場所”をつくろう!
eN(エン)カレッジすいた

9月15日(金)開校 連続講座全6回
2023第8期生募集 お申込み締切は9月10日(日)
詳しくはラコルタまで

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

テーマカフェ
「身近に手話でつながるには?」

開催日:6月24日(土)

今回のテーマカフェは、手話を学んでおられるラコルタサポーターの方と一緒に企画しました。
ゲストスピーカーの大江卓司さんは、吹田市聴言障害者協会で会長を務めており、ろう者の一人として手話への思いなどを語っていただきました。
初心者の方が継続して手話を学べる場や、ろう者の方と気軽に交流できる機会が少ない中、参加者同士で情報交換をしながら、新たな発見や出会いがあったようです。

写真:定員以上のお申込みがありました!

テーマカフェ
「やってみよう!あなたの街でも地域猫」

開催日:7月16日(日)

ゲストに「さくらのしるし」と「桃山台自治団体協議会・桃山台地域猫(保護猫)の会」をお招きし、地域猫活動のきっかけや現状をお話しいただきました。
参加者は、既に活動をされている方、関心がある方、野良猫の被害で困っている方など様々。
また、吹田市保健所の方も参加され、昨年7月からスタートした「地域猫活動支援事業」についても話題にあがりました。
皆さん熱心に意見交換されており、地域猫活動への関心の高さが伺えました。

写真:手づくりの捕獲器で実演!

編集ノート

「居場所」という言葉が使われて久しい。
かつては物理的な場所(家、職場、飲食店等)を指していたように思うが、今は人との関係性や生き方と結びつけられることも多い。
コロナ禍以降「孤独・孤立」の問題化もあり、個人の社会における役割や関係のとらえ直し、自己存在感を高めることのできる「居場所」への期待は大きい。
(柳瀨)

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