ニュースレター(HTML)

ニュースレター第48号(HTML版)2024年9月1日発行

本ページでは、ニュースレターの文字情報だけを掲載しております。
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Be Social

私たちが暮らす地域や社会の事を他人事ではなく自分事にする。
そういった“ソーシャルな生き方”の魅力をお伝えします。

第33回 中野 弘美さん
「こうなればいいのに」が少しずつ形に

eN(エン)カレッジすいた7期 修了生

大阪府手話通訳者養成講座で勉強中。
今年5月から、ろう者の友人と共に、在住する池田市で「手話交流会」を開催。
千里丘の医療系企業に勤める。

eN(エン)カレッジすいた
・・・以下eNカレ、詳しくはラコルタへ。

手話をもっと身近に

看護師の頃、聴覚障がいのある患者さんとうまくコミュニケーションがとれなかったことがきっかけで、手話の勉強を始めました。
講座やサークルに参加しながら、手話検定一級にも合格。
これらを通した出会いが増える中で「もっと身近に手話でつながれる場をつくりたい」と思うようになり、eNカレを受講しました。

企画のハードルを低く

eNカレで印象に残っている講座は、七輪を使った場づくりのワークショップです。
焼きたいものを持ち寄るだけで、自然と交流できる場がつくれたことに驚きました。
企画を考えることにハードルを感じていましたが、1人で頑張るのではなく、仲間と一緒に楽しんでできることから始めたら良いのだと気づかされました。

人のつながりが支え

受講生やスタッフの人と話すことで、考えや思いが整理され、今の自分にできることが明確になっていきました。
また、誰かに相談することで、共感してくれる人や一緒に活動してくれる仲間がいるとわかったのです。人とのつながりが支えとなり、思い描いていた活動が少しずつ形になっています。

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ここに注目!ラコルタの特集
地域防災の行方
~担い手不足解消の鍵とは!?~

吹田市では、単一自治会や連合自治会単位で結成された防災対策委員会等の「自主防災組織」が、地域の防災活動を担っています。
しかし、高齢化や自治会離れといった背景から、活動の担い手不足が深刻化しています。
また、2020年度「市政モニタリング調査」によると、地域の防災訓練への参加について、「参加したことはない」「知らない」と回答した人の割合が全体の6割を占めていました。
一方で、高齢者や障がい者など自ら避難することが困難で支援を必要とする方(災害時要援護者)については、「近隣住民による助け合い(共助)」が必要となることから、吹田市と自主防災組織が協定を結ぶ、支援体制の整備が進められています。

地域に求められる役割や期待が高まっているものの、それを担う人材が不足していることに課題を抱えている自治会も少なくないのではないでしょうか。

本特集では、地域の実態に即した共助のあり方や、各地域で創意工夫されている事例を通して、地域防災の担い手について考えます。

災害時に支援が必要な人を減らして災害に負けない地域になる

株式会社 SBDリサーチ&コンサルティング

代表取締役 山本千恵さん

特定行政書士、BCPアドバイザー。中小企業やNPO等のサポートをしながら、地域防災やキッズ防災教室などを開催。能登半島地震では行政書士として被災者支援に携わる。

2024年1月1日に発生した能登半島地震は、死者・行方不明者302名、住家被害は12万3,099棟(7月31日現在、内閣府発表)を超えるという大きな被害をもたらしました。
今もなお、厳しい生活を余儀なくされている被災者の方々の、一日も早い生活再建を願ってやみません。
石川県内の被災地で被災者の方々の相談に応じていると、現状の困りごと、先行きへの不安、お商売の心配など、お一人お一人が複雑な想いを抱えて日々を過ごしていることが判ります。災害は、人々の当たり前の日常を奪ってしまうのです。

助けてくれる仲間を増やす

しかし、それぞれの地区で防災を担う人々の思いはどうでしょうか?
地区の高齢化が進み、「誰の避難を、誰が手助けするか」を考えようにも、日中は若い人は仕事に出ていて、自分自身も被災する…考えるほど手詰まりになってしまう、という声もたくさん聞いてきました。
そのような時、私は必ず「役員の方々だけで何とかしなければ…と思わないでくださいね」と伝えています。
役員の皆さんを助けてくれる仲間を増やすこと、何より、災害時に支援が必要な人を増やさない、できれば減らしていくことが大切なのです。

避難方法を選び備える

防災に取り組もうとする時、地区の中の高齢者や障がい者などを災害時要援護者と考え、その人達を「どうやって避難させるか」に意識が向きがちです。
しかし、高齢者や障がい者であっても、危険な時間帯や通過後の数日間を家の中で安全に過ごしきることができるとなれば、地区役員の役割は変わってきます。
災害時要援護者と言われる人達が、「どうすれば支援を必要としない災害時要援護者になれるか」に取り組む方が、今の日本、地域に合っていると思うのです。

地域活動に組み入れる

支援を必要としない人を増やすには、やはり日常の取り組みが重要です。
全ての住民が適切に備蓄をしているか、向こう三軒両隣の住人の顔と名前がわかっているか、安否や居場所を知らせる手段が共有されているか等、日頃の自治会活動などに組み入れてはどうでしょうか。
地区内の「災害時に支援が必要な人」を減らし、「支援者になれる人」を増やして、災害に負けない地域になってほしいと思います。

市内における自主防災活動の事例

吹二地区
民生・児童委員と連携した安否確認

吹二地区自治会連合協議会 会長 岡本 巧さんは、大阪北部地震の経験から、避難所に集まって安否確認を行う防災訓練は現実的ではないと感じました。
そこで、2019年度より、黄色いハンカチを自宅に掲げて安否を確認する訓練に切り替えました。
当初は、自治会員の約2割程度しか掲示されていませんでしたが、現在では掲示率が約4割まで増えています。

また、地区内には自治会の加入に関わらず、約300人の災害時要援護者が暮らしています。
しかし、専門知識がない中で、どのように支援すれば良いのかが自治会内での課題となっていました。
そこで、2022年に吹田市の福祉総務室を招き、災害時要援護者の避難支援に関する学習会を開催しました。
まずは“顔が見える関係づくり”が必要とのことから、民生・児童委員と連携しながら災害時要援護者の戸別訪問を行いました。
黄色いハンカチによる安否確認を促すとともに、訪問を通じて生活の実態や不安の声を直接聞くことが出来たそうです。

写真:福祉総務室を招いた学習会は市内で初の試みとなりました

吹南地区
地域の企業とも助け合える関係を

吹南地区にある南金田自治会は、約1000世帯が加入しており、市内で最も大きい単一自治会です。
会長の矢吹賢太郎さんは、阪神・淡路大震災が発生した1か月後に、仕事で神戸へ行く機会があり、炊き出しなどの光景を目の当たりにしました。
災害時には、人と人との繋がりが大事だと実感した事から、会長就任を機に、防災活動に注力されています。

吹南地区は企業が多く、地域貢献を目的とした企業による振興会が長年活動されています。
防災についても、津波浸水予想地域内にあることから、津波・洪水避難ビルの指定に協力している企業が複数存在しています。

南金田自治会の防災対策委員会には、地域の企業30社が賛助会員として加盟されているそうです。
「現役世代が少ない日中に災害が起きた場合は、企業の方の力をお借りできたら。
また、帰宅困難者が出ることも想定されるので、お互いに助け合える関係を築いていきたい」と矢吹さんは、おっしゃいます。

写真:防災マップには企業内にあるAEDも掲載されています

山二地区
現役世代の参加で、進化する地域防災

山二地区では、ペンギンをモチーフにした「山ペン隊長」を防災のイメージキャラクターにしています。
発案は、防災対策委員会で事務局を務める大原有樹子さん。
大原さんは、PTAや青少年対策委員会で活動していましたが、大阪府北部地震をきっかけに、事務局に入り、防災士の資格も取得されました。
特に、子育て中の人に関心を持ってもらいたいという思いから、地域の中学生にキャラクターの絵を描いてもらい、山田第二小学校で名前を募集したところ200通の応募が集まりました。
コロナ禍での取り組みとして始めたYouTubeのナレーションや替え歌も小学生が協力しています。

これまでは、シニア世代が中心となっていましたが、現在は大原さん含めて3名の現役世代が事務局に集まっています。
委員長を長年務める橋本喜代松さんは「現役世代や女性の参加によって、会議の雰囲気が変わり、柔軟な発想が増えた」とおっしゃいます。
多世代が活躍できる地域防災の取り組みが広がっています。

写真:取材にご協力いただいた事務局のみなさん

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THEピックアップ
ラコルタの取り組みを紹介!

地域諸団体のための
会計講座+情報交換会

開催日:7月13日(土)

自治会などの地域諸団体向けに、会計の基本から、自治会の事情に応じた処理のポイント等を学びました。
また、質疑応答を通して、他団体のケースを知る機会もあり、参加者から「初めて会計担当になったので、大変助かりました」「他団体の意見も聞いて参考になりました」といった感想をいただきました。
自治会の運営に関する個別相談もお受けしていますので、詳しくはラコルタまでお問い合わせください。
写真:23名(19団体)が参加されました

夏休み特別企画
市議会見学会

開催日:8月2日(金)

小学5・6年生を対象に、議会の仕組みや議員の仕事について学びました。
議長室等を見学した後は「良いまちにするために、やってみたいこと」を考え、発表し合いました。
「議員に質問ができて嬉しかった」、「普段なかなか見られない場所を見ることができて楽しかった」等の感想があり、まちの仕組みを作っている市議会について身近に感じてもらう機会となりました。
ご協力いただいた市議会議員やボランティアの皆さん、ありがとうございました。
写真:5年ぶりの開催となりました

編集ノート

特集で各地域の防災リーダーとお会いしました。
皆さん、お忙しい中「他の地域にも役立つのであれば」と、快くお話しくださいました。
地域の風景を映した写真展や青年部と共に開催した音楽祭など、日頃からの地域のつながりがあるからこそ、机上の空論でないリアルな対策の必要性を実感されているのだと思いました。
(守谷)

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